英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

不透明な米金利のゆくえ

 曇り。

 米国の金利は今年、下がりそうにない。

 株式投資家から住宅購入者、そしてバイデン大統領に至るまで、今年はほとんどの人がFedが利下げにすぐにも踏み切るとみていた。しかし、過去2週間ほどで、こうした望は砕かれた。

 3月の年率換算の消費者物価指数は3.5%伸びた。直近3カ月間において、この数字は予想よりも高めの数字であった。小売り売上高も前月比で0.7%増となった。

 4月16日において、パウエル議長はインフレとの闘いは予想よりも長くかかると述べた。投資家は今年、金利はわずかに0.5%ポイントしか下がらないのではないかとみている。

 パウエル議長はピボットにピボットを重ねている。Fedが12月にハト派に転じた後、利下げの期待は消え去った。より高い金利がより長く続く状況は、米国だけでなく、金融市場や世界経済に反響することになるだろう。

 米国経済は、少なくとも現在の高い金利に耐えられることを示している。4月16日にIMFは2024年の米国経済の成長率を2.7%と見通した。1月の予想が2.1%だったので、上方修正となる。しかし、高金利にさらされ続けることによる耐性は未知数である。

 多くの企業は低金利の際に多くの社債を発行した。このことは、今の高金利に対処することを助けているが、次第にこの借り入れのリファイナンスを必要がある。住宅ローン金利はすでに7%近くに到達し、住宅市場を冷え込ませている。

 米国の国債利回りの上昇と残高の拡大はより高価なものになりつつある。

 https://www.economist.com/leaders/2024/04/17/americas-interest-rates-are-unlikely-to-fall-this-year

パウエル議長が講演で話したこと

 パウエル議長が講演を行った。インフレ率が目標に到達するには、従来予想していたよりも長くかかると述べた。今年の利上げペースに関し、市場で疑念が高まっている中での発言である。

 パウエル議長によると、中央銀行が目標としている2%の物価目標に到達し、利上げを正当化するには予想よりも長い時間がかかりそうだ、と述べた。インフレ抑制に思ったよりも手こずっている様子がうかがえる。

 

 https://www.ft.com/content/3d0ddbe1-4637-4262-ba40-934015606166

ガザ戦争の最新状況

 曇り。

 アルジャジーラより。ガザ戦争の最新状況である。イスラエル軍の攻撃により、7人の警察官が殺害された。イスラエルの戦時内閣はイランの攻撃に対し、どう反応するのかを決める会合を開くことにしている。

 北部ガザ地域ではイスラエル軍空爆によりモスクや近隣の住宅が破壊されている。難民キャンプでは多くの女性や子供がけがを負った。

 https://www.aljazeera.com/news/liveblog/2024/4/16/israels-war-on-gaza-live-israel-vows-response-to-iran

イスラエルを説得できるか

 曇り。

 米国と欧州はイスラエルに対し、報復を思いとどまらせようとしている。この努力が成功するか否か。分かれ目である。

 https://www.ft.com/content/38a1f8d2-404b-46ed-8285-39bcaca5bcb0

イスラエルへ自制の呼びかけ

 晴れ。

 バイデン大統領はイスラエルに対し、自制を呼びかけている。ネタニヤフ首相率いる戦時内閣は、テヘラン政府による前例のない攻撃にどう反撃するか、検討を重ねている。

 バイデン大統領はイスラエルに対し、自制を呼びかけている。中東の緊張が加速することを避け、地域紛争に展開することを回避しようとしている。

 イスラエル戦時内閣は日曜日に会合を開き、イランによる攻撃にどう対処するかを話し合った。しかし、どういう行動をとるべきかの決定には至らなかった。反撃はすべきだが、いつ、どの程度にするのかははっきりしていないという。

 今回のイランによるミサイル攻撃は、イラン領土からのイスラエル攻撃としては初めてのものだ。同時に、この攻撃は昨年10月7日のハマスによるテロ攻撃により、イスラエルに対する敵対心が高まっているさなかの出来事となる。

 イスラエルは主要なパートナーと選択肢について議論を続けている。特にバイデン政権とだ。しかし、最終決定権はネタニヤフ首相率いる戦時内閣にある。

 https://www.ft.com/content/1b9b50dd-a0a5-4fd7-8c3b-a15bae40dba9

イラン・イスラエル戦争危機

 晴れ。

 イランとイスラエルとの衝突が迫っている。通常の戦争になる恐れがある。直接のドローン攻撃やミサイル攻撃はルビコン川を渡ることになりうる。

 ここ数カ月、ガザ戦争が中東地域全体の戦争に発展する可能性が取りざたされていた。今や、イスラエル人はこの瞬間が到来するのではないかと恐ろしい夜に耐えつつある。

 4月13日の遅く、イランはイスラエルに対し、ドローン攻撃を仕掛けた。ミサイル攻撃もである。

 https://www.economist.com/middle-east-and-africa/2024/04/13/iran-attacks-israel-risking-a-full-blown-regional-war

 イランがイスラエルに対し、ミサイルとドローンによる攻撃を仕掛けた。イスラエルの説明によると、大半は防御できたという。今回の攻撃はダマスカスの大使館への攻撃に対する報復である。数人のイラン司令官が殺害された。中東地域全体の戦争につながる恐れが出てきた。

 イスラエル現地時間の夜中の2時。サイレンが首都エルサレムに響き渡った。イスラエルの夜空はミサイルと、迎撃ミサイルにより明るく照らし出された。

 イスラエル軍の報道官はイランが200発のドローン攻撃やミサイル攻撃を仕掛けたと発表した。午前3時の発表により、攻撃は続いているが、大半の攻撃は防御できたとしている。

 イスラエル救急によると、10歳の少女が大けがをしたという。イランの国連代表によると、今回の攻撃は4月1日にイスラエルがシリアのイラン大使館を攻撃したことに対する報復であるとしている。もしイスラエルが別の過ちを犯すのであれば、イランの反応はより厳しいものになるだろう、としている。

 イランに加え、レバノン拠点のヒズボライラク、イエメンのフーシ派などもイスラエルに対して攻撃を仕掛けた。今回の攻撃の前に、イスラエル軍ゴラン高原の占領地が攻撃されると警告を発していた。

 イスラエルによるダマスカス大使館攻撃は、中東地域における敵対感情を掻き立てるものだった。これまでのところ、イランとイスラエルは直接対決することを回避してきた。

 https://www.ft.com/content/a5096429-5eb5-4d0f-8525-5e60c3b35448

ニューヨークタイムズ社内の反乱

 晴れ。

 ニューヨークタイムズの動向。社内の編集部門で反乱がおきているが、幹部は鎮圧に努めている。イスラエルガザ戦争のようなセンシティブなテーマについての取り上げ方について、内部で対立が生じているが、経営陣は独立性と中立性に関する点を改めている。

 NYTが自身を調査報道している。過去数週間、編集幹部が20人近い社員を召喚し、ガザ戦争に関する機密情報を他の報道機関に漏らしたかどうか調べている。これはNYTにとって最新の社内危機である。社内は組合との交渉やセンシティブなテーマの取り上げ方をめぐり、意見が大きく分かれ、対立しているからだ。

 ガザ戦争に関する報道は特に焦点になっている。とくに、10月7日にハマスイスラエルを攻撃した際、ハマスが性的暴行を武器にしたとの調査報道が問題視されている。NYTの社員の何人かはこの報道の背景にあるものを疑問視し、ガザの人々の苦しみを同様に取り上げていないと指摘した。

 社内調査の焦点は、誰がポッドキャストの配信計画を外に漏らしたかに充てられている。

 NYTは報道業界において多くの妬みにさらされている。1000万に及ぶ有料購読者に支えられ、料理やゲームなどのプロダクトを増やしている。しかし、NYTのカルチャーは圧力にさらされてる。

 https://www.wsj.com/business/media/new-york-times-reporters-rebellion-a6951d91?mod=hp_lead_pos7