米銀の決算が出そろい始めている。シティグループをはじめとした銀行にとって、預金金利の設定はより重要なものになりつつある。
もし預金というものが銀行業務にとってのパワーを表すものであるのなら、投資家はますますその価格に注目するだろう。
大手銀における四半期ごとの預金量の成長率はのろのろしたものに減速している。この動きは、コロナ禍初期の動きとは対照をなす。コロナ禍初期の預金量はFedが市場に流動性を大量に供給し、消費者は消費量を抑えたことで、急増した。
こうした大きな環境変化を泳ぎ切る能力にたけた銀行は、投資家の人気者になりうる。
その利点を享受しているのがシティグループだ。同社の株価は金曜日、同業種他社と比べて上昇した。S&P500と比べても上昇幅が大きかった。
シティは前年同期比の営業収益は11%も伸びた。TTSと呼ばれる企業や機関投資家向けビジネス部門が大きく伸びた。
企業による預金は金利上昇によって早い勢いで流出しそうだが、TTS部門の平均預金量は第1四半期は底堅いものだった。さらに重要なことは、TTS部門の純益が22%の増益となったのだ。非金利収入が8%伸びた。
特に運転資金以外の預金は最適な金利を求めて流出しやすい。そうした預金をとどめる能力は、高金利以外には顧客との関係性やサービスにかかっている。シティのジェーン・フレイザーCEOはアナリストとの会談で、TTS預金はコロナ禍前よりも実質的には伸びていると述べた。預金の粘着性が強まっているというのだ。