快晴。
日本企業はミャンマーにおける情勢が混乱しているにも関わらず、ミャンマー進出にこだわり続けている。その深層に何があるのか。キリンビールは軍に関連のあるビール取引を打ち切ったが、それ以外の企業はクーデター前と同じ操業を続けている。
アウンサンスー・チー氏の民主政権がクーデターで倒されてからわずか4日後、キリンは軍とのジョイントベンチャーを打ち切った。
この結論は異論なく、かつ全員一致だった。キリンはミャンマーにおける海外投資家として最大規模の投資を行っている企業の1つだ。
ミャンマーでは抗議活動が路上で続き、その将来像について疑問符が突き付けられている。数百に及ぶ日本企業にとって、ミャンマーのクーデターをどうとらえるのか、倫理上かつ実践的な危機でもある。2011年にミャンマーが民主化して以降、20億ドルの投資が行われてきた。
アジアにおいて最後のフロンティアと呼ばれていたからだ。
キリンの決断はそうしなければいけないものだった。というのも、そのジョイントベンチャーは軍と直接かかわっていたからだ。
しかし、それ以外の多くの日本企業は事態を静観し、今まで通りに操業を続けている。そうJETROの幹部は言う。7割の日本企業が特別経済地区で活動し、低賃金労働を生かした操業を行っている。アパレル生産が多い。
ミャンマーにとって、日本企業を含む海外直接投資は主要な成長の源泉である。過去10年間で1兆円の公的融資も行われている。ワシントンから軍事政権と距離を置くようにと圧力を受けていたのに、日本はミャンマーとの接触を維持し続けていた。
キリンはミャンマービールの株式を55%取得している。それに対し、活動家からロヒンギャ虐殺などに関わった軍に関与しているとして、批判を受けていた。それ以外にも、住友商事が電力や物流、通信などで活動し、トヨタやスズキも現地工場を建設している。大和証券はヤンゴンの株式市場創設にかかわった。
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