英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

問われる「ドル安派」

 ドルの行方。今月、ドル高方向に戻しているが、投資家はドルの先行きについて依然として暗い見通しを持ち続けている。

 ドルに対する投機的なポジションが続いている。その水準は過去3年で最大規模になっている。今年に入り、ドルは1%ほど上昇したが、弱気派はドルに対する弱気の見通しを崩していない。

 他の通貨に対するドルの価格は今年に入り、強くなっている。ユーロはドルに対して1.23ドルから1.2ドルまで下げた。

 しかし、ヘッジファンドなど投機的投資家は、ドルに対して投資ポジションを積み上げている。ファンダメンタルズを分析すると、中期的には依然としてドル安方向にあるという。

 2020年のドルはおよそ7%ほど減価した。金利が低下し、ドル資産の魅力が低下したためだ。多くの投資家はより緩和的な米国の金融政策により、ドルの1月のリバウンドは長続きしないとみている。

 ドル安観は今月、バイデン政権が誕生することで試練にさらされることになる。民主党政権誕生により、米国債が売られ、金利をより魅力的な水準に押し上げる。その結果、ドル高のシナリオも現実味を帯びる。

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