英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

7月の雇用統計

 7月の雇用統計が出た。雇用は改善しているが、危機前の水準には程遠い。

 新規雇用者数は180万人近く増えたが、増加の幅は過去2カ月の水準からは低下した。

 米国経済は7月に雇用拡大のペースが減速した。過去2カ月間は力強く改善していた。6月の新規雇用者数は480万人の増だったのに対し、7月は180万人の増加にとどまった。失業率は10.2%に低下した。

 この雇用統計が出た後、政府部内や議会民主党の間で行われていた、いかに経済をさらに回復させるかについての協議が崩壊の危機にあった。金曜日の夜、トランプ大統領は議会を迂回し、大統領自身の行動によってこの事態を打開すると宣言した。何らかの大統領令を発すると思われるが、具体的な手段は明らかではない。

 未解決の課題のうち、主だったものは政府による毎週600ドルの失業給付の復活であった。これは数百万人に及ぶ失業者にとって生命線となる。7月末にこの措置は期限切れとなった。

 7月の雇用回復はなったとはいえ、3月と4月に2200万人もの人が職を失い、その半分にも満たない人しか雇用は回復していない。

 バンカメのエコノミストは、5月と6月の雇用回復は簡単に回復できるものにとどまった、と述べている。

 大統領選まで100日を切り、雇用市場は横殴りの風にさらされている。

 https://www.nytimes.com/2020/08/07/business/economy/july-jobs-report.html