英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

静かに台頭するドイツ極右グループ

 NYTより。

 ドイツで、極右グループが排外主義の思想を実行する計画をひそかに立ててているという。警察も動き出したという不気味なニュースである。

 摘発された計画は驚くべきほど具体的だった。そのグループは移民や難民を襲い、トラックに載せてどこか秘密の場所に運び、全員を殺すのだという。

 一人のメンバーはすでに30人分の遺体袋を用意し、それ以上の注文もあったという。計画していた顔ぶれは、表面的には尊敬すべき職業についている人々だ。弁護士や地方政治家、予備役の軍人、警察官が含まれている。

 彼らは全ドイツをカバーするチャットのネットワークを通じて集まった。そして、警察のスナイパーだったGross氏を通じて、徐々に組織として体をなしていった。彼らは自身のことを、ノーザーン・クロスと呼んでいる。

 彼ら自身、誰かを殺害する計画を立てていないという。しかし、検察官などは、彼らがもっと邪悪な計画を持っていると示唆する。ドイツの当局は、これら極右勢力はより大規模化しているとみなしている。特に極右勢力が軍隊に浸食しているさまは、警戒を要するという。

 7月には政府が極右勢力に影響された企業に解散を命じた。しかし、3年前に発見されたノーザーン・クロスの場合、極右の浸透は新しいわけでもなく、軍隊に限った話でもないことを意味している。

 極右勢力はドイツ社会のあらゆる階層に浸透している。政府はいま、この勢力を根こそぎにしようと、躍起になっている。

 https://www.nytimes.com/2020/08/01/world/europe/germany-nazi-infiltration.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage