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欧州のコロナ不良債権処理

 曇り。

 欧州の銀行各行は融資に伴う不良債権ロスの影におびえている。少なくとも230億ユーロの引当金処理が必要になると見込まれている。

 欧州の大手銀行は、融資に関してさらなる損失の計上を見込んでいる。金額は巨額で、コロナウイルスによるダメージの蓄積を受けている。

 英国とスイス、ユーロ圏の銀行群は、少なくとも230億ユーロの引当金処理を第2四半期に見込んでいる。この数日のうちに決算発表が予定されている。これは第1四半期に計上した250億ユーロの引き当て処理とは別の追加引き当てだ。

 すでに引き当て処理されている610億ドルにくわえると、西側諸国の銀行トータルで1170億ドルもの損失処理となる。これは2009年上期以来の水準である。

 ほとんどのエコノミストはV字回復をあきらめ、秋に政府支援策が終わると、さらなる苦痛が待っていると予想されている。

 第2四半期の引当金の金額で多いのは、クレディスイスが筆頭にある。新しい会計基準によると、銀行は将来の損失に備えて引当金を前もって積まないといけなくなっている。

 先週、金融機関の中で先んじて決算を公表したUBSは、投資銀行部門の収益が43%伸びたことを公表した。しかし、同時に引き当て処理も行った。

 欧州の銀行セクターは依然として2008年のリーマンショック時の傷を負い続けている。欧州銀行セクターの株価は今年31パーセント下落した。これはベンチマーク指数が10%下落だったのと比べると、大きく落ち込んでいる。

 投資家は、今の逆風を考えると、銀行に投資するのは石油メジャーに投資するのと同じく愚かなことである、というものだ。

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