英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

イタリア国債の格付け

 快晴。

 イタリアの国債見直しが回避されたことで、安どが広がっている。S&Pは格下げを回避した。

 ジャンク級よりも2ノッチ高い格付けを維持している。ただ、イタリアの金利は上昇している。

 イタリアはS&Pによる格下げの可能性を回避することができた。定期的な見直しの過程でS&Pは金曜日、トリプルB格付けを維持した。イタリア政府はコロナウイルス対策の財源調達として国債発行を積み増しており、同国の国債残高はGDP比の153%にのぼる。

 S&Pは、ECBによる大規模な債券買い取りプログラムがイタリアの資金調達を助けている、と評価した。

 S&Pによる声明は、ムーディーズの表明に続くものだ。ムーディーズは、経済ショックの一時的な性格を理由に、格付けには大きな影響を与えない、とした。ムーディーズの格付けは、ジャンク級の一段階上のランクにとどまる。

 しかし、S&Pはイタリア格付けの見通しは、ネガティブのまま変えていない。借り入れコストがさらに上昇するようであれば、格下げを決断するかもしれない、と述べた。今後3年間のうちに、GDP対比の国債残高が減少トレンドに入らなければ、格下げはありうる、ということだ。

 イタリア国債はここ数週間、投資家の圧力にさらされている。コロナ危機と戦うために、財政負担をユーロ圏諸国で分担しようという提案に、新たな債務負担を嫌うイタリアが難色を示しているためだ。

 EU首脳が共通債券の発行について意見が深く対立していることが判明した後、イタリア国債の売りは、金曜日も続いた。

 イタリアの国債利回りは1.85%だ。

 S&Pムーディーズの声明は、格下げを恐れる投資家の一部を安心させた。

 https://www.ft.com/content/ec672629-aa29-470f-a306-5066dddf523c