英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

マーケットはコロナの打撃を過小評価している

 エラリアン氏。マーケットやエコノミストコロナウイルスに対し、強気になりすぎているという。PERやクレジットスプレッドの観点から判断し、非常に強気であるという。

 エコノミストや多くの市場参加者が予想するV字回復シナリオと、悲惨な現実との間のギャップが徐々に埋まりつつある。しかし、この間のギャップは依然として投資家に困難な問いを突き付けている。

 エコノミストは当初、第1四半期の落ち込みは、第2四半期の急速な回復によってリカバーできるとみていた。しかしそれがシフトし、現在は第2四半期も大きく落ち込んだままで、第3四半期の回復もよりゆっくりとしたものになるとみている。

 しかし、この回復シナリオも現在の世界経済が置かれた深刻さを過小評価している。

 大手企業はこの先どうなるかについて見通しを決めかねている。そして、収益見通しの公表を延期している。第1四半期の決算シーズンを前にして、だ。多くの企業が警戒を強め、キャッシュの確保に走っている。債務をより増やしてでも現金を集めているのだ。

 投資適格級の債券発行が増えることは、Fedによる新しい資金供給プログラムに裏打ちされた、堅調な投資家の需要にマッチしている。同時に多くの企業が大規模な首切りを初め、失業者数は1700万人を数えている。

 失業が増え、賃金カットも行われると、家計は消費により慎重になることは当然のことだ。

 このマーケットと現実の認識ギャップは、その一部は市場にある構造的なバイアスに起因するものだ。もう一つは財政政策や金融政策ができること、できないこと、そして行っていることに関する混乱である。財政政策や金融政策は短期の流動性供給や市場のストレスを弱めることはできる。しかし、企業や新興国のデフォルトを食い止めることはできない。

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