英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

トイレットペーパー騒動

 晴れ。

 ジリアン・テット記者がトイレットペーパー騒動と国債について書いている。同じ紙でできた代物だが、コロナ危機によってともに強く需要されている点では共通している。

 コロナウイルスが流行して以降、先進国の家計はトイレットペーパーを買いに殺到した。時には非合理的なやり方でだ。

 一方、投資家らは同じような衝動にかられた。政府としてはこの自己実現的なパニックを防ぐべく動く必要がある。

 国債について考えると、国債価格が危機時に上昇することは理にかなっている。10年国債金利は0.4%まで低下した。しかし今週、国債価格は奇妙な動きをみせた。10年債の利回りは1.2%まで上昇。株価が下落しているにもかかわらずだ。30年国債利回りは1.77%を超えた。

 これはなぜなのか。一つの説明は、ホワイトハウスが1兆ドルのコロナ対策を打ち出し、そのことが投資家らを米国の債務危機を連想させたからだ。しかし、Fed国債買い入れ額を増やすといっており、整合が取れない。

 これを理解するには、トイレットペーパーパニックを想起すればよい。キャッシュへの逃避が起きているのだ。ファンドは償還の要求に応じなければならず、レバレッジをかけたトレーダーらは、マージンコールに応じる必要がある。

 https://www.ft.com/content/c70c7ffa-69ca-11ea-a3c9-1fe6fedcca75