曇り。
トランプ大統領はトルコ高官に対し、新たな制裁を課すると脅しをかけている。シリアにこのまま軍事的行動を続けるのなら、深刻な結果を招くと警告した。
具体的な制裁の内容は、トルコの鉄鋼の輸出に50パーセントの関税をかけるというものだ。
トルコのシリア向け軍事行動を容認したとして、トランプ氏は同僚の共和党議員や民主党、米国の同盟国から激しい批判を受けた。月曜日午後になりトランプ氏は、トルコによる不安定化させるような行動に寄与する人物に対し、追加的な強力な制裁を課する大統領令を発するだろうと述べた。
しかし、民主党上院の首脳はトランプ氏の声明を拒否した。たとえば良いものであり、正当化できるものであっても、強力な制裁だけでは十分でない、と。トルコの投資家が恐れるほど、トランプ氏の行動は強力ではなかったこともある。
トルコのエルドガン大統領は、シリアにおけるトルコの行動は制裁によって変わることはないと述べた。
https://www.ft.com/content/72619f40-eebd-11e9-bfa4-b25f11f42901
クルドとの合意を受け、米軍が引いた後をアサド軍が侵攻している。
過去何年間も足を踏み入れることのできなかったシリア北東部の町に、シリア政府軍が流れ込んでいる。トランプ氏がシリアのクルドという同盟相手を見捨てる決定をしたことにより、空白になったエリアに入り込んでいるのだ。
シリアのアサド氏は、戦うことなしに、急速に領地を拡大している。米軍撤退により、ロシアとイラン、イスラム国も急速に力を増している。8年間にわたる戦争がなかったかのようだ。
トルコに支援された軍事集団は、正規のトルコ軍と比べ、規律がとれていない。
トランプ氏の中東政策は依然として大きくぶれている。トルコの軍事進攻を1週間前に容認したかと思えば、トルコへの経済制裁を発動している。このところ比較的安定していたシリア情勢が突然、もっともダイナミックな戦闘の場に転換した。