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エジプトでデモ発生

 曇り。

 エジプトで体制に抗議するデモが発生した。非常にまれな出来事である。

 デモが起きたのはカイロといくつかの都市で、シシ政権に対する反抗的態度を示す珍しい動きである。シシ政権は2014年から続いている。

 警察は催涙ガスを使い、抗議デモに対抗した。デモ隊はシシ氏の辞任を求めている。何十人かの逮捕者が出ている模様だ。

 抗議の源になっているのは、大統領とエジプト軍が公的資金を流用している動画を保持している人物からの告発である。スペインに逃亡する前にエジプト軍に対する建築工事を請け負っていた人物である。ビデオはネットを通じて瞬く間に広がった。

 軍などの腐敗を告発したアリ氏は、豪華なホテルや大統領の住居について、無駄な支出にかかわったと述べている。

 政府に対する抗議活動はシシ氏がクーデタで前任者を追放した後、2013年から禁止されている。シシ氏は2014年に大統領にえらばれ、それ以降、大半はイスラム主義者であるが、数千人を逮捕して反対派を押さえつけてきた。

 シシ氏はアリ氏の主張について、軍の信認を弱めることを狙いとした、単なる嘘に過ぎないと一蹴した。

 シシ氏政権のもと、軍はエジプト経済に対する関与を強め、数十億ドルにおよぶインフラプロジェクトに関与している。

 一方でシシ氏は、大統領宮殿をいくつか建設したことを認めた。そして、今後もそういう行動をとると述べた。カイロ東部に建設中の新しい首都について、これは私ではなく、エジプトに帰属するものだ、と述べた。

 IMFとの融資交渉の過程で実施された経済改革により、シシ政権は国際的な称賛を受けている。しかし、緊縮策によって引き起こされたインフレにより、貧困層や中間層の生活は苦しくなっている。

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