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低迷する投資銀行

 晴れ。

 投資銀行部門の収入は13年ぶりの低さとなっている。世界の上位投資銀行の今年上半期の収入が低迷している。理由は地政学的な緊張の高まりや成長の低下、低金利などだ。

 欧米の12の投資銀行のトレーディングやアドバイザー業務に伴う収入は768億ドルだった。2018年の同時期とくらべて11%落ち込んだ。

 個々の銀行の第2四半期は、芳しくない利益だった。モルガンスタンレーのフィクストインカム部門の収入は18%落ち込んだ。ドイツ銀行の株式部門は32%の減少となった。

 いくつかの部門のうち、もっとも目を引くのが株式部門の落ち込みだ。顧客はデリバティブやプライムブローカレッジサービスから離れている。ヘッジファンド向けに貸し出しをしたり、トレーディングをしたりするビジネスだ。

 欧州のMifidⅡ規制も、株式取引を挑戦的にしている。

 債券や商品関係の取引部門もけっして芳しいものではなかった。金利が低下していることが一因だ。

 第3四半期は、強弱の材料が入り混じっている。米国の株式取引は5%増えているが、それ以外の地域では二けたの落ち込みである。債券取引は世界的に6%上昇だが、投資銀行業務の収入は11%落ち込んでいる。

 デジタル化とマイナス金利、さらなる資本規制の強化などによって、投資家は投資銀行の収益性に疑問符をつけている。平均的にみて、欧州の投資銀行の株価は2016年以降、2桁の落ち込みを見せている。

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