曇り時々雨。
アルゼンチン情勢が再び悪化してきた。通貨ペソが下落し、アルゼンチン債のデフォルトをヘッジするCDSは急上昇している。
アルゼンチンの通貨ペソが月曜日、下落した。野党候補のフェルナンデス氏がプライマリー選挙で勝利したからだ。2カ月後に迫る大統領選挙において、ポピュリスト政権が復活するのではないかという懸念が高まっている。
フェルナンデス氏の優勢は意外なものだった。10月の選挙では、市場に親和的なマクリ現大統領が敗北するのではないかとの観測が浮上している。
フェルナンデス氏の得票率は47.7%だった。深刻なリセッションの高い失業率、50%以上のインフレを招いたマクリ氏の経済再建プログラムに有権者はノーを突き付けた格好だ。ちなみに、マクリ連合はわずか32.1%の得票しかなかった。
しかし、投資家の反応は厳しい。アルゼンチンが普通の国になる唯一のチャンスが潰えた、とみる声が出ている。
ペソ下落の大きさは2015年12月にマクリ政権が為替管理を撤廃し、変動相場制に移行して以来だ。
アルゼンチンの株価も同時に下落した。現地通貨建てではほとんど半値近い下落幅となった。アルゼンチンのドル建て債も同様に圧力にさらされている。アルゼンチンが2017年に発行した100年債も大幅に下落した。
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