英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

上昇するドルヘッジコスト

 ドルのヘッジコストが上昇し、米国債の海外投資家は、債券をヘッジせずに投資し始めている。もしドル安となれば、債券投資家には大きな痛手となる。

 貿易で加重平均した実効レートベースで、ドルは20年ぶりの高値を記録し、米国と欧州、日本の金利差も拡大している。それゆえヘッジコストが上昇し、米国債に対する投資は海外投資家にとって、実質的にはマイナス金利となっている。

 https://www.ft.com/content/431c89ec-611a-11e9-a27a-fdd51850994c

 低インフレはミステリーなのか。過去10年間、インフレ率はFedの目標水準を下回り続けた。コアPCEは平均で1.56%である。Fedは2012年にインフレ目標政策を始めたが、それより以前に暗黙のうちに2%を目標にしていた。それゆえ、長年にわたって目標を下回り続けるインフレはミステリーとされてきた。

 それは原油価格の下落や人口要因、グローバルな競争、労働分配率の変化や安全資産の不足、そして、アマゾンなどの台頭などに原因を求めてきた。

 しかし、こうした説明はFedが中長期ではインフレ率を決定できるということからすると、十分ではない。理論上は、Fedはインフレ率のトレンドを決める最終的な調停者であるべきだ。

 それゆえ、なぜインフレ率はこれほど低いのか、という疑問が出てくる。私の考えでは答えはシンプルだ。Fedは望む通りにインフレ率を決定できる。そこにミステリーはない。Fedがこの低インフレを選択したといえる。

 https://macromarketmusings.blogspot.com/2019/04/is-low-inflation-really-mystery.html