英字紙ウォッチング

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米民主党のジレンマ

 曇り。

 米国の民主党は、トランプに対抗できる大統領候補者づくりで割れている。方向性としては、左にシフトする傾向がある。

 政策も税制やヘルスケア、気候変動について左派寄りの政策を採用しようとしている。しかし、左傾化有権者の離反を招く可能性があると懸念する声もあがっている。

 11月の中間選挙で手痛い敗北を喫した後、トランプ氏は再選に向けた活動を始めた。支持率は40パーセントをわずかに上回る程度である。しかし、大統領は勝利のカードを手にしていると信じている。それは、対抗馬となる民主党候補が左寄りの政策を後生大事に掲げていることだ。税制やヘルスケアから、巨額のコストのかかる気候変動対策までだ。

 大統領は先週の一般教書演説において、民主党員の間で広まっている社会主義について不満を漏らした。これは民主党が直面しているジレンマでもある。

 民主党は新世代の候補者は左派よりの政策を掲げて登場していることを一方では喜んでいる。代表例がグリーンニューディールを掲げてさっそうと登場したブロンクスの議員、アレクサンドラ・オカシオコルテス議員だ。

 しかし、一方でトランプ氏が草の根の保守派の強い支持を得て当選したのとちょうど反対に、非常に急進的な候補者を立てることに不安も感じている。スウィング州において、より穏健なメッセージを立てたほうが、有権者の支持を得て当選する確率が高まるのではないか、という不安だ。

 民主党はいわば、大きなテントのような政党だという人もいる。次の大統領選まで20か月以上あるが、すでに争点ははっきりしつつある。民主党はトランプ氏の公約破りと汚職を追及し、トランプ氏は民主党が統治者になるにはあまりに急進的だと批判している。

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