英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ミレニアル社会主義

 晴れ。

 米中の貿易交渉が続いている。少しずつではあるが、幅広い分野での合意に近づいているようだ。さらなる交渉を来週、ワシントンで行う。

 最終的にはMOUの形で成果が出る。そして、最終的にはトランプ氏と習氏がトップ会談して合意する段取りとなっている。

 金曜日に話し合いをまとめた後、習主席とライトハイザー氏、ムニューシン氏が会談した。習氏は来週のワシントン会合で合意に達することができるよう、しっかり交渉を続けよ、と指示したと新華社通信は伝えている。

 https://www.wsj.com/articles/chinese-u-s-negotiators-expected-to-show-progress-on-trade-deal-framework-11550212318

 ミレニアル世代に社会主義が広まっている。しかしそれは、資本主義の問題を解決する回答にはなっていない。

 ソビエト連邦が1991年に崩壊した後、20世紀のイデオロギー上の戦いは終わった。資本主義が勝利し、社会主義は経済の失敗と政治的な圧制の決まり文句とみられている。

 それから30年が経過し、社会主義が再び流行し始めている。米国ではオカシオ・コルテス議員が登場し、民主党の大統領選挙の候補者に名乗りをあげた。彼女は民主社会主義者を自称している。英国ではジェレミー・コービン氏が労働党の強硬派党首である。

 社会主義が帰ってきているのは、西欧社会においてうまくいっていないことの批判を形成しているからだ。右派政治家たちは思想面における闘いをあきらめている。そして、愛国主義ノスタルジアに逃げ込んでいる。一方、左翼は不平等や環境問題に焦点を当てている。そして、エリートよりも大衆にいかに権力を与えるのかを考えている。

 しかし、復活した社会主義の政策は、予算や官僚主義、ビジネスにおける純朴さに苦しめられている。

 かつてクリントン氏やブレア氏が主張した第三の道は、死んでしまった。新しい社会主義者たちの多くはミレニアル世代である。そして、ミレニアル社会主義の目標は過激ではない。たとえば、米国においてはそれはユニバーサルヘルスケア、という形で表れている。それは先進富裕国では普通の制度である。

 https://www.economist.com/leaders/2019/02/14/millennial-socialism