英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

金融危機で何が変わったか

 空は次第に晴れ間が広がってきた。
 FTのマーチン・ウルフ。金融危機以降、なぜ変化がそれほど少ないのか。
 冒頭、ケインズが1942年に書いた一文を引用する。大恐慌前後で人々の感覚が違ってしまったことを指摘している。大恐慌と第二次大戦を経て、人々は変化を求めるようになった。
 1970年代のスタグフレーション反革命でもあった。1980年代になると、政府や市場の役割に対する考え方が根本的に変わった。マクロ経済政策の目標や中央銀行の役割が変化した。
 では、金融危機後何が起きたのだろうか。政治家や政策担当者は過去に戻ろうとしているのか、それとも異なる未来を目指しているのだろうか。答えは明確で前者である。
 公平に言って、より良い過去に戻ろうとしている。それは1918年に起きたことと同じである。悲惨な戦争の結果、集団安全保障という考えと国連が生まれた。しかし、経済については金本位制に戻ろうとした。2008年以降も、世界は過去よりも良い金融規制を導入した。基本的な考え方は「救済」だ。財政や中央銀行金利を使い、経済を救済する。
 https://www.ft.com/content/c85b9792-aad1-11e8-94bd-cba20d67390c