エコノミストより。シリコンバレーからスタートアップ企業が逃げ出し始めているのだという。イノベーションの拠点が変わり始めた。
ルネサンス期におけるフィレンチェのように、シリコンバレーがなりつつある。米国におけるテクノロジーの首都であったこの町は、今まで世界経済や株式市場、文化に大きな影響を与えてきた。サンホセからサンフランシスコにわたる狭い地域に、世界でもっとも時価総額の大きい企業5つのうち、3つが本社を構えている。アップルやフェイスブック、グーグルなどはすべてこの町で生まれ、拠点としている。この地域だけで、スイス一国やサウジアラビアよりも大きい。
この地域は単なる場所というだけではない。一種のアイデアでもある。
この町に対抗できるライバルは世界に存在しないと思われてきた。しかし、この町の影響力がピークに達しつつあるというサインが見え始めている。もしそうなら、不幸なことである。
一つの証左は、昨年、この町にやってきた米国人よりも去る米国人のほうが多かった。「オフ・シリコンバレー」がはやり言葉になっている。なぜそうなのか。わかりやすい一つの理由はシリコンバレーに住むコストが高くなっているからだ。ベイエリアの4倍の居住コストがかかる。
https://www.economist.com/leaders/2018/08/30/why-startups-are-leaving-silicon-valley