英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

揺れる債券市場

 晴れ。
 長引く債券市場における流動性の低下が、市場を揺らしている。
 世界中の多くの債券市場で取引するのが困難になっている。一定の投資家はほかの市場へ資産を移し、流動性の幅広い低下への関心も高まっている。
 取引のしやすさの代理変数である売りと買いの価格差は、今年欧州の社債市場、新興国債などで開いた。流動性、それは価格に重大な影響を与えることなく取引できる能力のことだが、それは金融危機以降、ますます関心を高めている。
 しかし、イタリアや新興国市場など、最近の極端な市場へのストレスに関するエピソードをみると、どれほど早く取引条件が停滞するかに焦点が当たっている。すなわち、市場がますますショックに対し脆弱になっているという関心だ。
 中央銀行による大規模な量的緩和の波は、今や徐々に反転しつつあるという。いまわれわれが目撃しているのは、自然の支援を得られなくなった、市場における部分的なホットスポットである可能性がある。
 5月にはイタリアの2年物国債が1989年以降で最大の一日あたりのジャンプを記録した。これはイタリア政治によって引き起こされたもので、流動性の欠如がこの動きを増幅させたようにみえる。そして、5月以降、流動性は悪いままで続いているのだという。
 欧州先進国のハイイールド債におけるビッド・アスクスプレッドは、今年に入り、24パーセントも上昇している。投資適格級のクレジットのそれも拡大している。世界でもっとも懐の深い資本市場である米国では、スプレッドは堅調だが、ハイイールド市場では拡大している。
 https://www.wsj.com/articles/prolonged-slump-in-bond-liquidity-rattles-markets-1532257201?mod=hp_lead_pos5