英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

賃金パズルという難問

 先進国で賃金が上昇してこない。
 中央銀行家やエコノミストはここ数年、なぜ賃金がこれ以上上昇しないのか、という疑問に悩まされている。先進国経済の平均的な失業率は5・3%である。これは金融危機以前よりも低い。しかし、世界でもっとも豊かな米国でさえ、賃金は年率3%に満たない水準の成長である。
 今月欧州中央銀行ポルトガルのシントラにおける年次会議を、この賃金パズルの問題の議論に多くを費やした。
 しかし、最新のデータが示すように、豊かな国々が直面している問題は、名目賃金上昇が経済条件に反応していないという問題だけではない。名目賃金の上昇以上にインフレ率が上昇し、実質賃金が停滞していることである。米国とユーロ圏の実質賃金はたとえばであるが、世界経済よりもゆっくりとしたスピードでしか上昇していない。
 その原因は原油価格の上昇だ。
 https://www.economist.com/finance-and-economics/2018/06/30/the-rich-world-needs-higher-real-wage-growth