英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ギリシャは勝利したのか

 久しぶりにギリシャの話題。何年にもわたる財政緊縮の後、ギリシャに希望が見えてきた。債権者団と債務の返済条件を変更することで合意し、数十年かけて返済すればよいことになったからだ。ギリシャ救済から8年。ルクセンブルクで金曜日の午前2時、ギリシャ財務大臣がとうとう合意を勝ち取った。財務大臣はこれがギリシャ危機の終わりだと思う、と述べた。
 この合意に至るまで、ギリシャはドイツとの毒々しい関係やユーロ圏から追い出される瀬戸際にまで追い詰められた。しかし、ギリシャの2000億ユーロにのぼる債務の蓄積という厳しい現実もある。ギリシャは今後数十年間にわたって、危機の遺産と一緒に生きていかなければならない。
 外交官らは、今週の取引を、デリケートな妥協であり、非常に大きな駆け引きだったと述べた。ギリシャはとくにドイツなどの国の用心深さと、ファイナンスを維持可能にする必要があるという要請のバランスの上に立って、債務調整を与えられた。
 具体的には、ギリシャはまずプライマリーバランスの黒字を維持しなければならない。2022年まではGDP比で3・5%の黒字だ。そして、2060年代まで、この黒字幅は平均で2・2%を達成しなければならない。何とも気の遠い話である。2032年に、それはおそらくこの合意にかかわった財務大臣たちの後継者の後継者たちであろうが、2032年にさらなる債務調整が必要かどうか話し合うのだという。
 こうした計画には、一国の経済的な運命を半世紀以上にわたって見通すという、ほとんどSFのような前提が反映されている。
 この計画が信用できるのかどうかは、ギリシャの出口が信用できると投資家たちが考えるかどうか、またギリシャ国債を購入することを検討するかどうかにかかっている。
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