英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

米国抜きの貿易協定

 晴れ。
 米国抜きのTPP11が成立した。米国が「アメリカ・ファースト」を展開するに伴い、環太平洋諸国は貿易の優先度を変えた。環太平洋諸国は米国抜きの新たな貿易ブロックを形成し、欧州は米国がより厳しい交渉を求めるにともない、他の諸国とのつながりを強化している。
 世界の貿易地図は新たな境界線を引く動きとなっている。
 米国政府高官が言うには、米国がより積極的に貿易政策を推し進めると、国際的な経済システムを改善しようという意図のもとにこうした政策を推し進めているのだ、ということに懐疑的な同盟国を説得する必要が出てくる。米国は同盟諸国と戦おうとしているのではない、というメッセージなのだが、それが伝わりにくい。
 アメリカ・ファースト政策が、けっして孤立主義でも保護主義でもないということを納得させるのは難しい。リスクはむしろ、米国の生産者に対し報復措置をとり、それが新たな米国抜きの貿易協定につながることだ。
 トランプ政権の貿易政策は3つの要素からなる。一つは、関税などの貿易措置を強化する方向である。2つめは、過去の政権によって交渉されていた貿易協定を破棄すること。
 https://www.wsj.com/articles/u-s-allies-shift-trade-priorities-as-trump-rolls-out-america-first-1516741631
 米国の製造業保護のため、新たな関税が課されることになった。ターゲットになっているのは、輸入太陽光パネルと洗浄マシーンだ。
 https://www.wsj.com/articles/manufacturers-fight-over-new-tariffs-effect-on-u-s-jobs-1516705203