曇り。
貿易戦争の懸念が当面、後退したのを受けて、株価や原油価格が上昇に転じている。しかし、債券市場をみると、不安のメッセージが発せられている。
グローバルな株価と原油価格は月曜日、高値に転じた。
10年米国債の金利は、3%を下回る水準で取引を終えた。これは9月以来の低水準だ。
この金利低下は、10年債と2年債の金利差を0・16パーセントポイントまで縮めている。これは2007年以来の小さな水準で、投資家の多くが成長が減速することを見込んでいることを意味している。
貿易戦争があるなしにかかわらず、世界経済と米国経済は減速しつつあることは明らかである。先週、株価は上昇したが、中央銀行のとることのできる道筋は不確定だ。
貿易戦争は本当の問題から目をそらす問題で、本当の問題は経済の減速である、という声があがる。
ただ、貿易は利益成長に影響するため、市場を決定づける大きな要素となる。
米中貿易交渉の米国側担当者はライトハイザー氏が担うことになった。これまでムニューシン財務長官を相手にするものとばかり思っていたが、対中強硬派の起用に中国側は驚いている。
ムニューシン氏とライトハイザー氏は対中政策で対立してきた。ライトハイザー氏の起用が意味するのは、トランプ氏がより対中強硬策に傾く自信を持っていることだ。
ライトハイザー氏起用にあたっては、女婿のクシュナー氏の助言も効いたようだ。
次の米中交渉がいつ行われるのか、未定である。中国副首相を団長とする交渉団が今後数週間のうちにワシントンを訪問する予定である。