英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

サルマン皇太子の強大な権限

 晴れ。快晴。

 サウジのムハマド・ビン・サルマン皇太子は、ジャーナリストの死を機会に、国際的な非難を封じ込めることができるか、問われている。

 サウジの年老いた国王は週末、自身が選んだ33歳の皇太子がこれほどの残酷な殺人事件を引き起こしたことにも関わらず、後継者であり続けるというメッセージを送った。

 しかし、ここ数週間に起きた出来事は、皇太子と王族との間に違いを大きくさせている。国際的な反発がすぐに影響する気配は見えないが、サウジの経済近代化や米国との外交関係が今後どうなるか、試されている。

 土曜日になって、サルマン国王はムハマド皇太子に対し、同国の情報機関の在り方についての新たな権限を与えた。経済や防衛のみならず、情報機関も皇太子が所管する。

 選挙活動のため、ネバダ州で演説をした後、トランプ大統領は報道陣に対し、サウジの調査の最初の結果には満足していない、と述べた。そして、制裁を検討しているとし、ただ軍事品の売却は関係しないと述べた。

 皇太子陣営の関係者によると、皇太子の権限は内部では依然として大きくはチェックされないままであり、皇太子を排除する気配もまったくないという。ロイヤルファミリー内における反皇太子の動きはほとんど無視しうるものである。というのも、皇太子は潜在的なライバルを排除し、その権力を固めてしまったからだ。

 王国内部では、王族の一部が国王と今回の危機について話し合おうと試みているが、皇太子勢力が妨害している。

 こうした反皇太子の動きをする王族に対しては、カショギ氏に起きたことと同じことをにおわす脅迫も届いている。

 一方、カショギ氏の問題は外交危機までエスカレートすると、皇太子は反発にショックを受けた様子だったという。10月10日には皇太子はジャレド・クシュナー氏と会談した。ボルトン安全保障補佐官を伴って会談したクシュナー氏は、皇太子に対し、厳しいメッセージを送った。

 皇太子は西側諸国に裏切られたと感じている。彼は裏切った人物のことを忘れないだろう、という証言も出ている。

 https://www.wsj.com/articles/scandal-over-dead-journalist-jolts-heir-to-saudi-throne-1540076164?mod=hp_lead_pos1

 FTより。

 サウジアラビアに対する国際的な圧力がますます高まっている。カショギ氏の責任を認めたのは、強硬にそのことを否定し続けてから2週間後のことだった。

 https://www.ft.com/content/d642cbe2-d3ed-11e8-a9f2-7574db66bcd5