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メイおろしの始まり

 イギリスのメイ首相おろしが始まっている。保守党の次のトップ抗争の始まりだ。将来の保守党をリードする候補は、ロングリストができるほど存在するという。どこかの国の政権党とは大違いである。

 今週、保守党の党大会が開かれる。次のトップ候補は疲れ切っているが、変化を求めている。

 ブレグジットというテーマは、すべての演説やパネルディスカッションなどにおいて下敷きとなるようなテーマになるだろう。もしメイ首相がこの秋のブレグジット交渉で最後までやり抜くことができたなら、保守党は次の見据えた議論を始めるだろう。

 首相官邸は現在のところ、メイ首相は辞任のつもりはないと主張している。もし辞任すれば、彼女の残っている権威は地に落ちるだろう。しかし、ここ数週間、言い回しは微妙にシフトしている。つまり、ブレグジット交渉をやり抜き、議会で法案を通す仕事がメイ首相の最後の仕事になるだろう、という暗黙の了解が浮上しているのだ。ともかく、メイ首相時代は過去のものになった、というのがほとんど共通の了解事項になっている。

 それだけに、2018年の保守党大会は、次のトップをうかがう人物にとって、自分を売り込む機会となる。Javid国家安全相は、彼のサッチャー主義を強調するだろう。Johnson氏はハードブレグジットを改めて主張するだろう。Hunt外務大臣は、メージャー首相後期に自分を重ね合わせている。

 直近の労働党大会では、ゲームチェンジが強調された。中道右派にポジショニングを変える予定だ。コービン労働党の資産は、フレッシュな顔ぶれである。フロントベンチに座るのは、かつてほとんど知られていないメンバーである。彼らが活力を与え、党を新しい党であるかのように見せている。これに対し、メイ首相率いる保守党があまりに多すぎる。

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