英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

欧州の選択

 FTより。副題は、フランスの野望か、それともドイツの金勘定か、といったところか。
 ベルリンはパリにおける強力な同盟を必要としているが、マクロン改革については無関心を決め込んでいる。
 現在、パリからは、数多くのEU回復策が浮上している。一方、ドイツは、自国の財布を何とか引き締めようと、マクロン大統領の拡張的な動きを礼儀を持って受け止めている。欧州は滅多にない機会を逃しかけているのだろうか。
 数年もの間、ドイツはパリにおける真面目なパートナーがいないことを嘆いていた。しかし、メルケル政府は現在、求めていたものを得たのかもしれない。それ以上のものかもしれない。
 マクロン大統領の欧州主義に対する熱情は、まずはフランス自身の経済をしっかり立て直さなければならないという現実主義と融合している。大統領選後の数ヶ月、財政赤字の削減や労働法の自由化、減税が打ち出されてきた。
 欧州側としてもタイミングは良い。いくつかの問題もやがて去っていくかもしれない。欧州東部における反自由主義の動きや、スペインとカタルーニャ独立派の争いである。
 しかし、途切れることのない危機の雲は去っていった。ユーロ圏における経済の信頼感は2001年以降においてもっとも高い。難民危機は緩和し、ポピュリズムの動きも一時的ではあるが点検されている。
 問題は欧州自身にある。金融同盟は力強い経済的基礎を欠いたままだ。
 https://www.ft.com/content/723104f8-be58-11e7-9836-b25f8adaa111