英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

パウウェル新議長の難題

 曇。三連休の中日である。
 スペイン政府は、カタルーニャ地方のプチデモン氏に対する召喚状を発した。同地方の前大統領だったが、現在はベルギーにいる。反乱と騒乱罪に問われている。
 スペインの裁判所は、解任されたプチデモン前首相に逮捕状を発した。4人の前大臣らに対しても、だ。5人全員がベルギーにおり、反乱や公的資金の誤用などの罪に問われている。
 金曜日夕に発行された9ページに及ぶ資料によると、カタルーニャ地方の退任したリーダーたちは、憲法を無視し、不法に国家組織を変更しようとした罪に問われている。
 https://www.ft.com/content/48be7c3e-c0d0-11e7-9836-b25f8adaa111
 Duy教授。パウウェル次期議長にとって、経済運営はそれほど容易ではない、と警告している。低成長経済に対処することになるだろう、と。
 景気循環上、米国はよりリスクの高い段階に入った。このことは、引き締め政策は完全雇用経済において十分な施策ではあるが、景気後退に陥ると、十分ではないことを意味している。
 この経済の移行をうまく航行するのは、投資家だけでなく、FRBにとっても困難であろう。市場参加者らは、減速しつつある経済はリセッションが近いことを意味するのだとみなすことに警戒すべきである。同時に、中央銀行関係者にとって、経済をあまりに強く減速させすぎないようにし、次のリセッションへの備えをすべきである。
 言い換えると、過去1年間、相対的に穏やかな経済情勢だったことは、まもなく終わることを意味している。
 米国経済は第2四半期に3・1%、第3四半期は3%の成長率であった。これは2014年以降において、最良の連続成長率である。では、これが継続するのだろうか。
 FRB自身は、そのように考えていない。最近の成長ペースは中央銀行の推計している長期成長率1・8%を上回っている。3%成長率は能力をあまりに超えた成長であり、過剰なインフレ圧力を引き起こしうる。
 この力に対抗するため、FRBは政策の引き締めを継続すると予想できる。現在から来年末までの間に、100ベーシスポイントの引き締めである。そうなると、2018年には金利は2・1%に達する。
 しかし、100ベーシスの利上げは見通しであって、約束ではない。新議長はこうした低成長経済への移行をうまく扱う必要がある。
 一つのチャレンジは、どれほどの減速ペースなのか計測することだ。景気拡大の初期段階において、経済指標が語る絵姿は、より力強い成長というものだった。しかし、経済データはより混乱したものになっている。
 たとえば、雇用の成長は減速を続けている。ひと月あたり10万人のペースに落ちている。自動車販売はピークをうち、今後はより低い増加ペースになりそうだ。設備投資も落ち込んでいる。銀行は消費者向けローンについて、より延滞を経験することになるだろう。
 問題はデータが変化していくことのトーンである。景気後退のシグナルと誤解される恐れがある。
 http://economistsview.typepad.com/timduy/2017/11/economy-not-likely-easy-for-next-fed-chair.html