英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

アラブの春その後

 エコノミストのカバーストーリーはイスラム主義への対処法について。
 過去10年、イスラム政党は中東において不可避な流れであった。2011年のアラブの春に、独裁者たちはおののいた。とくにムスリム同胞団とその分派は影響力を得て、支配権をとった。モスクと投票箱は宮殿や秘密警察にとって変わったかのように見えた。
 しかし、今日のアラブ世界における挫折をみると、イスラム主義者が有益な民主的役割を果たすであろうという理想は潰えたかのようにみえる。彼らは反動体制によって再び抑圧され、暴力的なジハード主義者の挑戦を受けている。
 多くの同胞団が投獄されるか、亡命を余儀なくされている。そして、主要な資金の出し手であったカタールは、トランプ氏の支持を受けた隣国諸国によって外交的、経済的制裁を受けている。UAEやサウジ、エジプトなどは、同胞団をテロリストだとレッテル張りし、西側諸国にアピールしている。
 先週スペインで再び起きたようなテロ事件があると、イスラムの名前のもとに、権力を求めるすべての人物を厄介者扱いしたくなる誘惑に駆られる。しかし、すべてのイスラム主義者を毛布で包むようにひとくくりにして批判するのは、最悪の反応である。こういう行為は結局より一層の憤りと混乱とテロリズムを生むだけである。
 https://www.economist.com/news/leaders/21727067-their-record-power-often-worrying-they-can-be-pragmatic-and-cannot-be-ignored-blanket