英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

メイ首相は変わるか

 フィナンシャル・タイムズより。
 敗北という選挙結果を受け、苦境に立たされているメイ首相。来週、指導力が試されているというのに2人の側近が辞任した。
 側近のひとりは保守党のマニフェストを作成した人物であり、壊滅的な認知症税制政策をつくったとして非難されている。もうひとりは、閣僚を酷評する文章をつくったとして有名な人物だ。
 辞任するヒル氏とティモシー氏という側近は、メイ首相による隠しだての多く、閉ざされた統治スタイルを象徴する人物だ。そして、2人の辞任はメイ首相が変化するのか否かをはかるリトマス試験となる。
 一方、辞任するティモシー氏は、「敗北の原因についてあれこれ推測が出ているが、単純な真実は英国が分裂した国であるということだ。多くの人々は緊縮財政に飽き、多くの人々はブレグジットに怒りと不満を持っている。そして、多くの若者は親の世代のような繁栄を享受する機会がないと感じている」と反論している。
 https://www.ft.com/content/cf79605c-4db9-11e7-a1f2-db19572361bb
 ジリアン・テット記者。利上げを遅らせれば遅らせるほど、利上げは難しくなるだろうという。
 4年前にFedが利上げをしようというと、テーパータントラムという混乱が起きた。しかし、いまは異なることが起きている。
 過去18ヶ月間でFedは3回の利上げを行い、来週4回目が実行されようとしている。しかし今回、混乱は置きそうもなく、まったく反対のことが起きそうだ。株価は高値を更新し、債券価格も上昇している。
 より驚くべきは、金融指数が緩和的であることだ。セントルイス連銀指数などをみても、金融環境がより安価で緩和的になっていることを示している。つまり、Fedの利上げは気にされていないということだ。
 Fedが引き締めしようと思っても、飛行機は反対の方向に飛んでいっている。別の表現をすれば、トランスミッションカニズムが壊れているのだ。
 こうした状況は最初ではない。2008年の金融危機後にも同様のことが反対の意味で起きた。
 こうした状況に警告がないわけではない。今年初め、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が、ゴールドマンサックス指数により注意を払うべき、と警告した。私も同意見である。
 https://www.ft.com/content/e536efb8-4aa8-11e7-919a-1e14ce4af89b