英字紙ウォッチング

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ゴールドマンの変身

 ゴールドマンサックスが、投資銀行のビジネスモデルに、貸出というビジネスを取り入れようとしている。
 投資銀行業務やトレーディング、富裕層の資産運用が中核的なビジネスだった。しかし、ウォールストリートが金融危機後に気づいたのは、そうした中核的なモデルは成長をもたらさないということだった。
 ゴールドマンも同様に、かつて避けていた退屈な戦略に手を出そうとしている。それは人々に金を貸すことだ。
 過去数年間、企業買収へのファイナンスやマンション、芸術への貸付、台所の改修への個人融資などに乗り出している。
 貿易ファイナンスや設備リース、コンシューマーローンなど、新たなクレジットビジネスを探索している。
 ブランクファインCEOは2月のインタビューで、「われわれは銀行である」と述べた。
 ゴールドマンのこの動きは過去10年にわたってウォールストリートが直面している挑戦を示している。投資家は、もし小さくなったとしても、利益を安全に稼ぐ企業、ビジネスを分散している企業を評価してきた。金融業界のほとんどが、もはや危機前の水準に取引は戻らないと考えている。
 ゴールドマンはウォールストリートにおいて、企業の買収アドバイスや株式の引受けでトップクラスである。しかし、その成長の余地は小さい。しかし、融資業務においては、成長の余地があると、ゴールドマン米国銀行のCEOは述べている。
 ローンの残高は2011年以降で950億ドルに達し、2バイとなった。不動産向け融資は10倍だ。融資に伴う収益を開示していないが、まだ小さいと思われる。
 こうしたビジネスの転換は、ディールメーカーやトレーダーからなる企業文化を大きく変えようとしている。CEOのシェール氏は、ゴールドマンにとって異質な金融の世界から幹部を引き抜いている。
 ゴールドマン内部の投資銀行家の何人かは個人的に、小規模な融資を手がけることにブツブツ不平を言っている。地位を確立しているシティグループJPモルガンチェースのような貸し手は、すでにCFO経理担当者たちと深い関係を築いている。そこにゴールドマンが入り、地位を築いていくのは並大抵のことではない。
 前1〜3月期の四半期決算は、悪い数字だった。トレーディング部門が不振だったからだ。
 https://www.wsj.com/articles/goldman-sachs-embraces-bankings-bland-side-lending-money-1493675955