英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

マクロンの資質

 晴れ。
 優勢が伝えられているマクロン氏はフランスをうまく統治できるのか。政治的には誕生して1年あまりの初心者が、議会の多数派を6月の議会選挙で得なければならない。
 マクロン氏はまだ、政権に誰が参画するのか明らかにしていない。577議席ある議会選挙でも、立候補者はまだひと握りである。
 議会で多数派を占めない限り、フランスの大統領は歴史的に憲法上の不利を被ってきた。いわゆるコアビタシオンというものだ。大統領と議会が任命する首相の属する政党が異なる事態だ。その場合、大統領職は単なる儀礼的な存在に成り下がる。
 大統領選と議会選挙は異なるダイナミズムで動く。マクロン氏への支持は、マクロン氏の所属する政党への支持とは必ずしも一致しない。問題は、とくに地方選挙において、マクロン氏率いる政党がライバルを抑えて議席を得られるかだ。
 一方、大統領選挙の決勝戦において、ルペン候補はさまざまな障害に遭うだろう。マクロン氏と異なり、ルペン氏はフランス全土にわたる、規律のとれた組織を持っている。国民戦線は地方に深く根付いた組織だからだ。しかし、大統領選挙の最初のラウンドにおけるルペン氏の振る舞いは、国民政党の基盤をより広げる必要性も示唆している。
 近年、右派と左派の主流派は、決戦投票において国民戦線の勝利を防ぐべく、たびたび共同戦線を張ってきた。国民戦線の外国人排斥の言動は、統治にふさわしくないからだ。フランス下院において、現在、国民戦線はわずか2議席しか保有していない。
 議会選挙は、過去40年にわたってフランス政治を握ってきた、保守党と社会党に対する反発も映し出している。ハモン氏とフィオン氏の敗北はそのことを象徴している。
 https://www.wsj.com/articles/will-emmanuel-macron-be-able-to-run-france-if-he-wins-the-presidency-1493063819