英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ドイツの経常収支問題

 晴れ。寒いが良い天気である。
 WSJより。クリントン氏のeメール問題を捜査するにあたって、FBIや司法省内部で激しい議論が戦わされたと報じている。ラップトップコンピュータには数千のメッセージがクリントン氏の個人サーバーから送受信されていた。
 http://www.wsj.com/articles/laptop-may-include-thousands-of-emails-linked-to-hillary-clintons-private-server-1477854957
 VOX論文より。ドイツの経済黒字が及ぼす危険性について。
 2015年にドイツは記録的な経常収支黒字を計上した。GDPの8・5パーセントに相当する。ドイツの経常黒字は中国のそれを上回り、いまや世界最大である。1990年代にユーロが創設された当初、ドイツの経常収支はわずかに赤字だった。しかし、2000年代に黒字が徐々に増加し、2008年の金融危機以降も増加し続けた。
 ドイツの経常黒字は財政黒字を伴っているのがその特徴だ。
 貿易バランスの観点からみて、経常収支の黒字はドイツの経済的な成功を象徴している。ドイツの輸出は2000年にGDP比30パーセントだったのが、2015年には47パーセントに増えている。しかし、輸入はGDPの39パーセント相当だ。このことはドイツが世界に対し、非常に高い割合で資本を輸出していることを意味している。実際、ドイツの貯蓄はGDPの20パーセントから30パーセントへ増加した。一方、国内の設備投資は20パーセントにとどまっている。
 この論文では、ケインズを振り返りつつ、これほど巨額の資本フローが固定為替相場制度のシステムの中で不安定な要因となっていることを示す。具体的には、経常赤字国は調整のプレッシャーを激しくうけるが、経常黒字国はそのような調整圧力を受けない。IMFの創設にもつながったケインズの解決法は、国際的な資本フローの再調整をするために必要な、為替調整の必要性を示している。
 この問題はポール・クルーグマンをはじめ、幾人ものコメンテーターが扱っている。
 http://voxeu.org/article/danger-germanys-current-account-surpluses-results-cfm-and-cepr-survey