英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

節税の天才トランプ

 曇り。再び台風が接近中だという。うんざりする。
 トラブル続きのトランプ氏。今度は脱税の疑いが浮上している。ニューヨークタイムズの報道だ。
 1995年以降のトランプ氏の納税記録によると、1995年に税金還付のため、9億1600万ドルの損失が発生したと報告されている。この結果、その後数年にわたって、合法的に将来の所得を節税することができる。つまり、連邦所得税を一銭も支払うことなく、テレビ出演やホテル、ゴルフコースの運営で稼ぐことができるのだ。彼の支持者からは、「今回のことで彼が抜け目のないビジネスマンであることを証明した」と述べている。前ニューヨーク市場のジュリアーニ氏は、彼は税法を利用することにかけてはまったくの天才だと話している。
 先週の美女コンテストの女性に対する侮蔑発言に続き、今回の税金問題が浮上し、共和党支持者の間に、クリントンに勝利する機運を失いつつあるとの認識が広まっている。今回の指摘を受け、トランプ氏は彼のビジネスの記録と納税との間とのギャップを説明する必要が出てきた。
 焦点とされるオハイオ州の投票まであと10日しかない。
 また、巨額の損失を計上していたことが判明したことで、トランプ氏がニューヨークで成功したビジネスマンというイメージも崩れ去った。また、普通の有権者は所得の計上時期を都合よく変えたり、法律家や会計士を雇う余裕はなく、トランプ氏の感覚との差を見せつけている。
 http://www.wsj.com/articles/donald-trumps-tax-numbers-tighten-focus-on-treatment-of-losses-1475415294
 今週の予定について。今週の注目は米国の雇用統計とIMFの会合だ。
 http://www.wsj.com/articles/global-economy-week-ahead-imf-meetings-u-s-jobs-report-china-forex-reserves-1475434800