英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

イングランド銀行利下げ

 晴れ。暑い。
 英国のイングランド銀行が利下げに踏み切った。世界の先進国でFRBBOEのみ利上げモードにあったと思うが、これで利上げ派がFRBのみとなった。BOEの脱落とも言える。
 ブレグジットに伴う対応で、国債社債を買い上げる。政策金利は0・25%で、322年(!)のイングランド銀行の歴史上、最低水準となる。
 木曜日の決定は予想もせず大規模で、さまざまな内容を伴う刺激策だった。
 同時に2017年の成長率見通しも引き下げた。これも1993年に見通しを公表するようになって以来、最大の下方修正幅だった。FRBやECBなどは、ブレグジット後の影響について注意深く見守るとの姿勢を続けてきた。しかし、ブレグジットの副作用は英国のみに限定的だと思われていたが、米国やユーロ圏の経済も影響を受けるとの兆候がみられている。
 イングランド銀行の政策決定委員会の内部でも異論がある。この日の決定は全会一致ではなかった。こうした幅広い対応を正当化するほど、経済データが整っていないと考える委員もいる。少数の委員は「経済の弱さを強調しすぎかもしれない」と述べた。
 しかし、イングランド銀行のカーニー総裁は、消費や企業のコンフィデンスが急速に減速している調査結果は減速を示していると述べて譲らない。カーニー総裁は記者会見において「いまこそ刺激策が必要な時期であることははっきしている」と述べた。
 イングランド銀行の金融緩和策は4つの構成要素から成る。まず、政策金利を0・5%から0・25%に引き下げる。そして、今後数ヶ月のうちにゼロ%まで引き下げることもありうる。
 そして、英国債を買い上げるプログラムを復活させる。これは2012年に一時停止していた。そして、国債とともに社債も買い上げる。4つめは、銀行に対する新たな資金供給プログラムを創設する。銀行に対し超低金利の4年ローンを提供する。
 9人いる政策委員は全員利上げを支持したが、国債買取には3人が反対した。
 この決定の幅広さは投資家を驚かせた。英国ポンドはドルに対して1・4%も下落した。
 http://www.wsj.com/articles/bank-of-england-cuts-key-interest-rate-to-new-low-1470309155
 トランプ包囲網が広がっている。退役軍人らのグループは共和党員たちに対し、トランプを支持しないよう呼びかけている。マケイン上院議員を訪ね、そのように要請した。
 https://www.theguardian.com/us-news/2016/aug/04/us-military-veterans-donald-trump-petition-john-mccain
 ニューヨークタイムズも、トランプ氏が民主、共和両党が接戦となっており、勝敗を左右する州において、軍人たちの支持を失っていると指摘している。彼のキャンペーンは全米レベルに広がり、不安定化している。トランプ氏の軍事活動に対する生々しく、ときには攻撃的なコメントに対し、軍人社会が困惑しているのだ。
 最初のきっかけは先週のカーン夫妻に対する攻撃だった。夫妻はイラクで死亡した軍人の両親でイスラム教徒だ。そして、トランプ氏は夫妻を激しく攻撃した。
 このトランプ氏に発言は、トランプ氏がかつてジョン・マケイン氏のベトナムにおける捕虜経験について嘲笑するような発言を行ったことを思い起こさせた。トランプ氏は、ヒラリー氏支持を打ち出した元海軍軍人のアレン氏も攻撃している。彼は失敗した将軍であると述べたのだ。
 こうした失言の数々はトランプ氏の選挙戦略の根幹を脅かしている。いくつかの重要な州において、トランプ氏が現実的に勝利するには軍人たちとの緊密な協力が欠かせない。フロリダやバージニアニューハンプシャーなどだ。軍事基地に近いノースカロライナコロラドアリゾナもそうだ。
 共和党を支持してきた軍人関係者もトランプ氏支持に尻込みをし始めたとしても、女性や人種的な少数派はトランプ氏を深く嫌っていることが致命傷となりそうだ。
 http://www.nytimes.com/2016/08/05/us/politics/donald-trump-military-support.html?hp&action=click&pgtype=Homepage&clickSource=story-heading&module=first-column-region®ion=top-news&WT.nav=top-news&_r=0