英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

英国離脱後の世界

 曇り。
 ブレグジットはまさかまさかの展開だった。なんとなく米大統領選のトランプ候補の躍進と通ずるものがある。
 ダウ株価指数は大幅下落。3・39パーセント、600ポイント以上の下落である。
 http://www.wsj.com/articles/pound-plunges-on-u-k-vote-to-leave-eu-1466753711
 EU創設にかかわった6か国の外務大臣が集まり、できるだけ早く離脱の手続きをするよう英国に求めた。ベルリンの会合に集まったのはフランス、ドイツ、イタリア、オランダなど。英国離脱後のEUの未来を話し合った。次のステップとすれば、残るEUの27か国と英国がどのような関係を築くか話し合うことだ。
メルケル首相は別の会合で、ドイツは英国と緊密な経済的、防衛上の関係を維持していくつもりだと述べた。NATOのパートナーとして、相互の保証をシェアしていると付け加えた。
 また、英国の離脱投票からどんな教訓が導きだせるかも話し合う必要があると大臣たちは感じている。今回の離脱投票が欧州大陸で今以上の遠心力が働くことを懸念している。
 欧州の指導者たちは、ブレグジットがオランダやフランスなどにおけるナショナリスト政治家を刺激するのではないかと警告している。
 Euの前身であるEECは1957年に西ドイツやフランスなど、6か国を創設メンバーとして生まれた。
http://www.wsj.com/articles/we-wont-let-our-europe-be-taken-away-says-germany-1466843806
 ブレグジットの投票に伴い、英国政界も大きく揺れている。キャメロン首相は辞任の意向を表明した。
 EUから離脱するという歴史的な投票は英国政界にも混乱を巻き起こした。主要2政党にも混乱がもたらされた。
 今回離脱を選んだ民意は、キャメロン首相と野党の労働党のアドバイスを無視する格好になった。
 キャメロン首相は今後3か月間、その職にとどまり、10月に予定されている保守党の年次総会で次のリーダーを選ぶことを見守る。
 また、1か月に及ぶ苦い結果となった選挙戦によって、中道右派の保守党にも深い亀裂を残した。
 支持者を説得しきれなかったという点では、労働党も同様だ。
 それにしても、この記事に添付されている各国株式市場の下落率をみると、日経平均の下落幅が一番大きい。S&P500が3・73パーセントなのに対し、日経平均は7・92パーセントの下落幅だ。
 http://www.wsj.com/articles/u-k-s-brexit-vote-throws-political-scene-into-disarray-1466786724
 ニューヨークタイムズは、ブレグジットはショックの連鎖を引き起こすと警告している。
 今回の投票は英国に深い亀裂をもたらした。若者と老人との間の亀裂、都市と地方との亀裂、そして、スコットランドイングランドの亀裂だ。
 キャメロン首相は党内における反発に対抗すべく、国民投票という手に打って出たが、逆に政府のみならず、彼自身を破滅させることになった。
 ブレグジットの結果は、欧州大陸諸国のリーダーたちにとっても他人事ではない。ポピュリスト的な怒りが広がり、その声に直面しているからだ。フランスでは「Frexit」、オランダでは「Nexit」が早くも叫ばれている。
 http://www.nytimes.com/2016/06/25/world/europe/brexit-aftershocks-more-rifts-in-europe-and-in-britain-too.html?action=click&pgtype=Homepage&clickSource=story-heading&module=span-abc-region®ion=span-abc-region&WT.nav=span-abc-region&_r=0