晴れ。本当にPCの調子にはいらいらさせられる。
欧州のマイナス金利について。マイナス金利によって、人々が大挙して現金を保有するようになるのか、問いかけている。
長い間、エコノミストたちはマイナス金利はほとんど不可能であると信じ込んできた。もしマイナス金利が導入されれば、人々や企業は現金を保有するようになると考えていたからだ。結局、預金をして金利を支払うより、利子はつかないが現金を保有するほうが有利であるからだ。
しかし、最近の中央銀行、デンマークやスウェーデン、スイス、ユーロ圏、そして日本は、金利をマイナスに引き下げ、こうした長い間信じられていた信念を試そうとしている。いまや世界の4分の1の経済はマイナス金利を経験中である。
現在利用できるエビデンスによると、現金保有は問題にはならないと言える。
家計が現金保有を開始しないもっとも明白な理由は、マイナス金利が銀行の通常の顧客に適用されていないからだ。つまり、銀行がリテールの顧客に対するマイナス金利の影響を遮断する役割を果たしているのだ。
マイナス金利が継続し、さらにマイナス幅も深堀されるようになると、銀行は小規模の預金者にマイナス金利を適用し、現金保有に切り替わるようになる、という点でエコノミストたちは意見が一致している。
http://economistsview.typepad.com/economistsview/2016/06/did-negative-rates-in-europe-trigger-massive-cash-hoarding.html
ブレグジットについて、クルーグマン教授。相変わらず辛らつである。
教授いわく、国民投票は悪いものと、より悪いものとの選択に過ぎず、問題はどっちもどっちであるという。
隠し立てはすまい。私(クルーグマン教授)なら残留に投票する。EUは機能不全に陥っており、改革の兆しもほとんどない。しかし、英国の離脱は事態をより悪化させる。それは英国のみならず、欧州全体を、だ。
経済学をストレートに適用すると、それははっきりする。ブレグジットは英国を一層貧しくさせるのだ。貿易戦争になるわけではなく、単に生産性や所得を減少させることになる。
クルーグマン教授が荒っぽい試算をしたところ、離脱によって2パーセントほど貧しくなるという。これは大きい打撃である。
シティ・オブ・ロンドンが受ける打撃も評価しがたい。しかし、EU離脱が金融危機を引き起こすかというと、それは恐れすぎというものだろう。英国はギリシャではない。自国通貨を持ち、自国通貨で借り入れを行っている。
EU離脱派は、離脱すれば英国はすばらしいことを行う自由を得ることができると説く。規制を緩和し、市場の魔力を解き放ち、爆発的な成長を導くことができると。
だが、すいません。それはブードゥー経済学です。
http://www.nytimes.com/2016/06/17/opinion/fear-loathing-and-brexit.html?partner=rss&emc=rss&_r=1