英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

波乱の一週間

 朝方は晴れ。今日は気温が4月並みになるそうだ。
 波乱の一週間がようやく終わった。主要国の株式指数は今週、マイナスで引けた。金曜日は商品価格や銀行株が戻したが、それに水を差した格好だ。
 ダウ工業株指数は1週間で1・4パーセント下落した。年初来では8・3パーセントのダウンだ。いまやトレーダーやアナリストたちは、株価の波乱がどこで止まるのか、ますます見通せなくなっている。
 売りの大きさと深さは非常に驚くべき水準だ、とブラックロックポートフォリオマネージャーは語っている。マーケットがなぜここまでマイナス志向になっているのか、解明することに多くの時間を費やしているという。
 ただ、金曜日に投資家のセンチメントは幾分改善した。買いに大きな自信があるわけではないが。それは、株式売買高をみると、年平均を下回っていることからもわかる。
 世界中のマーケットが大きく下げたのが木曜日だった。投資家は金や国債などの安全資産に緊急逃避した。この日の取引量は今年2番目に大きかった。
 投資家たちは春節で休場していた中国の株式市場が週明け月曜日に再び開くのを注目している。中国市場は開くが、米国市場は休場となる。
 今年に限って言うと、中国経済の減速、油価の低迷とエネルギーセクターへのインプリケーション、そして中央銀行の刺激策が経済をサポートできるかどうかが株価を悩ませる。しかし、アナリストたちは、米国経済の状態が比較的良いことから、米国株は反発して上昇するのではないかとみている。
 今のところ、その予想は実現していない。S&P500の企業のうち、4分の3以上の企業が決算を終えた。このうち半分の企業が売上高がアナリストの予想を上回っている。利益は4・7パーセントの減益予想に対し、それ以下の水準にとどまっており、企業収益はそれほど悪いわけではない。
 一方、原油価格は上げ下げを繰り返している。金曜日は減産観測が出て、上昇した。UAEのエネルギー相が、OPECが減産で協調する準備をしていると述べたことから上げた。
 金融株は今年大きく打撃を受けているが、金曜日は挙げに転じた。JPモルガンチェースのダイモンCEOは自社株買いを発表し、上昇に転じた。
 http://www.wsj.com/articles/stocks-rebound-in-europe-1455268917
 銀行勢が投資家の信任を再び得るべく苦闘を続けている。
 今週、銀行の株価は二桁下落した。銀行勢が低成長や超低金利に対応できないのではないかという疑念からだ。
 典型がドイツ銀行。強固な流動性ポジション持っており、54億ドルの債券を買い戻す余力があるとアナウンスした。ウォールストリートも欧州勢に続き、JPモルガン・チェースは2600万ドルを自社株買いに充てると発表した。
 シティグループサンタンデールの幹部も自社株買いを数週間以内に決めると述べた。
 銀行株は今年に入り、2割下げている。
 マーケットはこれですべて終わりだとは見ていない。投資家はいわば2008年のリーマンショック以降、「心理的な二日酔い」に苦しめられている。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/3fe8f99c-d1ab-11e5-92a1-c5e23ef99c77.html#axzz401CkE6pA