英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

Watchful Waiting

 薄曇。手首を傷めているので、テニスは軽めに。
 原点に戻って、やるべきこと、捨てるべきことを再点検する。
 恒例の月初公表の雇用統計。結果からは、金融政策の先行きを見込みにくい。宙ぶらりん状態、と称している。
 1月の雇用統計は15・1万人の新規雇用者数の増だった。昨年9月以来となる低い水準で、昨年1年間の平均である22・8万人の増にとどかなかった。失業率は4・9パーセントに下落した。
 失業率が5パーセントを切ったのは2008年の2月以来のことだ。
 しかし、これらの数字はFed幹部を悩ませている。追加の利上げが必要なほど経済が強いのか否か、評価が難しいからだ。
 新規雇用者数の増加がそれほどでもなかった一方で、賃金は上昇し、6年半にわたる景気拡大がようやく形になって現れた格好だ。民間部門の労働者の平均時給は0・5パーセント上昇し、25・39ドルとなった。これでインフレの足取りがしっかりしたものになると期待できそうだ。
 しかし、投資家は先行き見通しが不透明だとみている。その結果であろうか、金曜日の株価指数は下落した。原油価格も2・6パーセント下落し、30・80ドルをつけている。
 次回のFOMCは3月の15、16日だ。雇用統計はあともう一回、発表される。
 FOMCメンバーは今年、4回の利上げを予定している。しかし、投資家たちはそのことについて次第に疑いを持ち始めている。来月の利上げがあるかどうかについて、先物市場は8パーセントの確率でしかあると見ていない。
 今週、3人のFed幹部が経済の見通しと利上げについて言及した。ブレイナード理事とダラス連銀のカプラン総裁は、現状の経済のストレスをかんがみると、これ以上の利上げに慎重であるべきだ、と述べた。ブレイナード理事は「watchful waiting」と述べた。
 http://www.wsj.com/articles/u-s-january-nonfarm-payrolls-up-by-151-000-jobless-rate-4-9-1454679110
 米国の自動車販売について。2015年は非常に大きく販売が伸び、経済成長につながった。しかし、15年はピークになるだろう。自動車販売の減速は第4四半期のGDP成長率を毀損する。そして、今年第1四半期も同じ減速ペースが続くだろう。
 しかし、自動車販売が永遠に伸び続けることはありえない。
 ブームを支えているのは、次のような事実だ。路上を走る車は古い車が多い。そして、ファイナンスも易くなっており、米国人は経済の見通しについてより楽観的になっている。このことが車の買い替え需要を促すとの見方の根拠になっている。
 http://blogs.wsj.com/economics/2016/02/02/how-auto-sales-may-dent-u-s-growth/
 雇用統計は手堅い内容であり、Fedの3月利上げ路線は変わっていない、とTimDuy教授。ただ、3月4日に2月の雇用統計の結果が公表される。
 1月の雇用統計の数字はコンセンサス予想を下回ったが、予想のリーズナブルな範囲内である。特に、賃金が過去1年間で上昇率を加速させている。2001年のリセッション時には失業率が6パーセントに近づくと、賃金は上昇し始めた。しかし、今回は5パーセントが賃金上昇が加速する失業率のようだ。
 http://economistsview.typepad.com/timduy/2016/02/solid-jobs-report-keeps-fed-in-play.html