英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ダボスの楽観と悲観

 晴れ。
 恒例のダボス会議。リーダーたちが世界経済について話し合っているが、GEの首脳は中国経済について楽観的な見通しを示している。同社の長期戦略は無傷であるという。
 副社長のジョン・ライス氏は、「多くの人々が中国のハードランディングシナリオを予想しているが、彼らは常に間違ってきた」と述べた。
 GEは中国で大規模なインフラプロジェクトを手がけ、利益を得てきた。とくにエネルギー分野で強みを発揮してきたが、この動きを続けるという。
 GEは事業モデルを転換し、消費者向けビジネスをやめ、産業向けビジネスに集中する。
 株価のボラティリティが高まっていること、そして、人民元が安値傾向にあることに関心が集まり、中国経済の強さが見過ごされているという。そうした目先の混乱である、世界がうらやむような高い成長をいまだに続けていることに目を向けるべきだという。
 http://www.wsj.com/articles/ge-says-long-term-strategy-in-china-remains-intact-1453382282
 ジリアン・テットより。
 ダボスでは大きなマクロ経済の問題が語られているが、細部に真実が宿ると説いている。中国の3・5億ドルの債券償還に注目すべきだという。
 というのはこういうことだ。ここ数年、新興国市場の企業は一般的に、とくに中国企業にあてはまるが、ドル建ての債務を劇的に増やしてきた。BIS統計によると、現時点で新興国全体で4兆ドルにのぼるという。中国企業にとって最近までは、ドル建てで債券を発行し、融資を受けるのは賢い戦略だった。Fedは低金利政策を続け、人民元も高かったのでよかった。しかし、その歯車が逆回転し始めた。
 多くの中国首脳たちは為替の安定を維持するとコミットしている。しかし、テット記者が話をした識者たちは、人民元は来年にかけてあと10から15パーセント減価すると予想していた。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/13144fd2-c02d-11e5-846f-79b0e3d20eaf.html#axzz3xjoCn3sy