英字紙ウォッチング

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サウジ生き残りの青写真

 エコノミストの最新号はサウジアラビア。生き残りをかけた青写真、というタイトルで、中東の大国の帰趨を占っている。
 過去何年も、サウジアラビアは莫大な石油という富に寄りかかり、不労の民であった。さらに、米国という世界最強の国をパトロンに従え、近隣諸国に停滞を強いていた。
 しかし、石油価格が低迷し、米国が中東の盟主の位置から退き始めると、この地域が戦火と権力闘争の地に変貌してしまった。サルマン国王は、30歳に過ぎない寵愛している息子に、権力を移そうとしている。サウジはまさに砂漠の嵐に見舞われている。
 ムハマド王子は、サウジという閉鎖された国を開くべく、青写真を描き始めている。その一例が、国営石油会社サウジアラムコの民営化だ。
 地政学的な強硬策と経済開放政策の組み合わせはギャンブルである。その結果如何では、サウジ王家そのものとアラブ世界の将来を大きく左右しかねない。
 1990年代に原油価格が下落したときには、サウジは単に債務を膨らませることで乗り切った。その後、中国主導の石油需要ブームが起き、サウジは救われた。しかし、当時ですら、原油ブームが来ると予想していたものはいない。今回、ムハマド王子は、相当ラディカルな国家改革の青写真を描いている。
 http://www.economist.com/news/leaders/21685450-desert-kingdom-striving-dominate-its-region-and-modernise-its-economy-same