英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

期待はずれのECB

 晴れだが、風が強い。
 米国の株価は大きく下げた。ECBの緩和策が期待はずれだったためだ。
 http://www.wsj.com/articles/global-stocks-little-changed-ahead-of-ecb-1449135390
 ドラギ総裁は記者会見で、「これらの手段がフルに評価されるのには時間がかかる」と述べた。しかし、大胆な踏み込みを期待していた、とくに株式市場にはしょぼい内容と受け止められた。ユーロはドルに対して上昇した。
 ECBが決めた追加緩和策の内容は、すでにマイナスの預金金利を拡大する。金融機関による貸し出しを促すことが狙いだ。債券買取プログラムも拡大するが、マーケットからはその規模では不十分だとみなされた。
 ユーロ圏経済は回復しているといっても、米国の回復ぶりからは大きく出遅れている。失業率は二桁、政府や中央銀行による追加の刺激策に焦点があたっている。不安定な経済は、新興国市場というリスクにもさらされている。新興国市場は欧州の主要な輸出先であるためだ。
 これまで市場の期待以上の行動をとってきたECBの今回の動きは、金融市場にとっても誤算だった。それゆえ、市場の反応は手厳しい。為替や株式市場、債券市場に大きな影響が出た。
 通貨ユーロはドルに対し、3パーセントも上昇した。過去6年間でもっとも高い上昇率だ。
 http://www.wsj.com/articles/ecb-cuts-deposit-rate-draghi-to-announce-further-measures-1449147451