英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

Shock result〜イタリア総選挙続報

 欧州危機に再び火が付き始めた。
 表題通りにまさにショッキングな結果となった。イタリア総選挙の結果について。中道左派民主党が下院で多数派となったが、上院では過半数を占めるに至らなかった。今後は政治的には不安定ながら、少数与党を模索していくとみられている。イタリア政治の混迷が金融市場にどのようなインパクトを与えるのか、注目される。
 イタリアの10年債は40ベーシスポイント上昇した。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/ca233bce-8044-11e2-aed5-00144feabdc0.html#axzz2LhW34Exz
 クルーグマン教授がイタリア式総選挙を皮肉っている。
 モンティ前首相が辞任した際、英国のエコノミスト誌は、「次の選挙ではイタリア国民の成熟度と現実主義が問われる」と書いた。皮肉なことに、その現実的な判断は、モンティ首相自身に降り掛かった。コメディアンのようなベルルスコーニ元首相と、本当のコメディアンの2人が政権につく可能性は低いものの、イタリア政治だけでなく、欧州自体を不安定に陥れる可能性がある。
 今後、イタリアの財政再建は頓挫する可能性が高い。
 ただ、こうした政治の状況はイタリアに限ったことではない。南欧州諸国に共通する。財政再建至上主義を改めない限り、今回のイタリア総選挙のような現象は今後も繰り返し発生するだろう。
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2013/02/paul-krugman-austerity-italian-style.html
 バンクオブイングランドのポール・タッカー理事が議会証言で一層の景気刺激策を示唆した。具体的には、中央銀行の準備預金にマイナス金利を付与するアイデアだ。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/978247fe-8013-11e2-96ba-00144feabdc0.html#axzz2LhW34Exz
 バーナンキ議長も議会証言を行った。
 http://online.wsj.com/article/SB10001424127887324338604578328052948263718.html?mod=WSJ_hps_LEFTTopStories
 Fedウォッチのコメント。投資家の関心は、イタリアが今後も財政再建にコミットし続けるかどうかなのだろうか、と疑問を投げかける。むしろ投資家が恐れているのは、ECBのドラギ総裁が、いついかなるときでもアクションをとる、という決意が揺るがされるのではないか、という点だ。
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2013/02/fed-watch-ecb-should-pledge-to-not-do-anything-stupid.html