英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

鈍化する差し押さえペース

 思うところがあって、しばらく更新を休んでいた。人生は残り半分を切ったのに、やりたいと思うことはあまり決断できないでいる。また、いろいろトライしてみるのだが、物事はなかなかいい方向に流れていかない。憂鬱な毎日。
 気を取り直して、ブログ更新のため、PCに向かう。
 昨夜は雨でテニスは中止。今日も曇り。
 昨夜、NHK教育で放映されたアウシュビッツ特集は深い内容で考えさせられた(どこかでちょっとみたことがあるので、再放送かもしれない)。途中から観たが、シンドラーのリストで知られるシンドラーの戦中の逸話より、ユダヤ人やシンドラーの戦後の苦難の方が強く印象に残った。捕虜収容所を生き残ったユダヤ人は、2度「抹殺」されたのかもしれない。一度はナチスによって。そして、二度目は戦後、同胞たちによって。
 戦後のユダヤ人たちの苦難は、証言しにくいテーマとあって、あまり焦点が当てられていなかったのではないか。

 ブログは120回目の更新。

 週末のG20会合について。
 http://www.ft.com/cms/s/0/3e628fea-dea2-11df-9b4a-00144feabdc0.html
 いわゆる通貨戦争に対応するため、来月、G20の首脳たちは貿易不均衡を是正する特別なガイドラインの合意点を探る予定だ。 
 先週末、韓国に集まった各国の財務相中央銀行総裁は、貿易不均衡を封じ込める政策的なフレームワークで合意したが、特定の目標数値を設けることは反対があって合意できなかった。
 米ドルはユーロに対して安値で推移。欧州中心から中国やブラジルなどの新興国に権力の重心をシフトするIMF改革に関する声明も出された。
 ただ、アナリストの反応は弱い。G20会合の成果はほとんどない、と評価されているようだ。米国のドル安誘導政策やアジア諸国の為替のより一層の自由化、日本の為替介入策について、それぞれ是正させる圧力はかけられなかった。
 ガイトナー長官は、貿易不均衡是正のためのフレームワークで合意できた、と胸を張ったが、具体的な手立ては不透明だ。会合後のコミュニケは、米国の金融緩和が新興国への資本流入を招いていると警告している。
 欧州諸国は、IMF理事会の24議席のうち、2議席新興国に譲ることで合意した。ただ、それが実施されるのは2012年のことだ。

 現在コロンビア大学教授のミシュキンFed前理事の投稿。Fedはインフレターゲット政策をすぐに採用すべきだとの主張。
 http://www.ft.com/cms/s/0/4b6276f8-df95-11df-bed9-00144feabdc0.html
 バーナンキ総裁の講演によって、Fed内でインフレ目標に関する議論が行われているとの憶測を生んでいる。Fedは、物価の安定と雇用の最大化という2つの目的(mandate)を負わされている。しかし、現在、インフレ率は2%をかなり下回っており、失業率は10%近いままだ。インフレ期待は下方圧力がかかっている。
 一方、経済を刺激するため、Fedは大規模な長期米国債購入を伴う量的緩和政策を再開するとのシグナルを送っている。
 デフレの危険から脱するには、長期のインフレ期待に働きかける、しっかりした錨(a firm anchor)が必要だが、それはインフレ期待が過度に上ぶれしないよう、Fedの長期のインフレ目標が変更されたという誤解を与えないようなものでなければならない。
 バーナンキ議長は最近のスピーチで、“mandate-consistent inflation rate”という言葉を使っている。
 FOMCの決定は、最高裁判例のようなものであり、FOMCの提案は長期のインフレ期待をつなぎとめる錨の役割を果たす。
 
 米国の不動産差し押さえペースが鈍化しつつある。
 http://www.ft.com/cms/s/0/b9e6df2a-dfa8-11df-bed9-00144feabdc0.html
 差し押さえのペースが緩くなり、返済を延滞している債務者が、居住する住居にとどまれるようになっている。
 フレディーマックによると、差し押さえのプロセスに入るのに、従前より2ヶ月長い8ヶ月ほどかかっているという。その理由は、借り手が差し押さえの手続きが始まっても自宅にとどまり続け、立ち退かせる作業が必要なためだという。
 銀行の差し押さえ手続きに関する法的な疑問も浮上している。670万件の住宅が延滞や差し押さえ状態にある。そして、売りに出ている住宅の約3割が、不良債権絡みだという。特にアリゾナ州フェニックスなどでそうした比率が高い。
 昔は、立ち退き命令が出るとすぐに出て行ったものだが、いまは警官が玄関に来るまで出て行こうとしない、という。そして、立ち退き作業に協力することを拒む警官も出始めている。
 そして、最終的には不法占拠者に移転費用を援助して、出て行ってもらうことになる。そのことは、フレディーマックやファニーメイに、より一層のコスト負担をかけることになる。