英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

バフェットの手紙

 快晴。

 ウォーレン・バフェット氏が恒例の株主向け書簡を公表した。今年は再建投資家にとって暗い将来になると警告した。国債が売られ、世界の株式市場にも反響を巻き起こすと警告した。

 バフェット氏は90歳になる。バークシャー・ハザウェイを率いているが、毎年株主に対し、書簡を送っている。今年は債券市場への投資を避けることが最上の策であると述べた。

 年金基金や保険会社、退職者など、債券投資家は暗い将来見通しを抱えているとバフェット氏は書いている。

 確かに先週、国債価格は劇的な変動を見せた。投資家が経済成長の加速を見込み、資金を債券からシフトさせたためだ。世界経済に対する楽観論が浮上し、インフレ率の上昇への関心が再び高まっている。

 多くの投資家は、自身のポートフォリオを今週の国債売りの前に調整しつつあった。より高いリターンが見込める低格付けの債券へ切り替えたのだ。しかし、このリスクのより高い債券投資というのは、回答になっていないとバフェット氏は言う。

 バークシャー自身は社債保有を減らしている。そして、1130億ドルに及ぶ現金は、年末に償還期限を迎える短期の国債に切り替えられた。

 バークシャー自身の決算は、23%利益が増え、358億ドルとなった。増益の原動力は幅広い米国株式市場への投資とデリバティブだ。アップルやコカ・コーラベライゾンなどへの投資が寄与した。バークシャーの現行のビジネスはこうした状況下で強靭性を見せつけている。

 第4四半期には自社株買いを行い、それはバフェット氏自身が指揮した。金額は88億ドルにのぼる。2020年通期でみると、自社株買い総額は実に247億ドルになる。その結果、バークシャー保有する現預金は減少した。

 バフェット氏はこの自社株買いについて、株主宛ての書簡の中で正当化している。

 投資家らはここ数年、バフェット氏に対し、バークシャー帝国を拡大するために大規模な買収案件を探すよう求めている。バークシャーはそうした買収をせず、現預金をため込んでいるためだ。その結果なのか、S&P500指数と比べ、バークシャーの株価は劣後している。アナリストは今回の自社株買いを評価し、2021年も継続するとみている。

 バフェット氏自身、買収案件に出会えていないことを認めている。そして、2016年に行ったPrecisionCastparts買収は失敗だったと認めている。

 https://www.ft.com/content/01f308ff-0a66-4c31-9653-a9c81d940b23

 

 

帰ってきた債券自警団

 晴れ。

 米議会下院は1.9兆ドルにのぼる財政刺激策を可決した。1人1400ドルの小切手給付や失業給付、地方政府向けのファンド創設などを含んでいる。

 https://www.ft.com/content/21c4bdb4-41eb-4c57-b4af-630da956a950

 債券自警団が帰ってきた。かつては世界中の市場をうろつきまわり、財政上の正直さを隠そうとしている国々を探し回る債券自警団が賞賛されていたこともあった。その自警団が再び帰ってきた。

 1980年代にエコノミストのヤルデニ氏が名付けた、債券の売りがいかに中央銀行や政府の手を縛り付けるか、ということに象徴される。

 過去20年間、自警団の姿はほとんどみられなかった。インフレ率が世界中で穏やかであり、利回りへの渇望が多くの債券投資家の規律を侵食してきた。金融危機以降、中央銀行は債券市場を量的緩和プログラムで覆いつくした。その結果、債券自警団の力を奪ってしまったのだ。

 しかし、2021年に入り、債券市場に力強い変動が起きた。1%に満たなかった10年ものの米国債利回りは1.6%にまでジャンプしたためだ。

 コロナウイルスが終息に向かいつつある中、世界中の多くの政府が大胆に行動することを約束している。その結果、債券自警団が再び登場しつつある。その自警団が経済回復を遅らせ、金融市場の過熱を不安定にする可能性がある。

 いまや過剰な財政政策、過剰な金融政策の世界に突入しており、そのことが債券自警団が活発になるゆえんでもある。債券自警団の仕事は経済に法と規律を回復することである。中央銀行や政府に規則がなくなっている時期であるからだ。

 いま世界で債券の売りが起きているのは、良い売りでもあるといえる。コロナウイルスは残っているが、財政刺激策とペントアップ需要の組み合わせは、経済成長の見通しを引き上げることになる。多くの人は、今や過去最大規模の経済ブームが起きつつあると予想している。

 しかしながら、そのことが長らく点火していなかったインフレ圧力を強めることになるのではないかという懸念も存在する。インフレは債券にとって天敵である。

 https://www.ft.com/content/542d6127-11e7-47ff-86cb-dd7bd974cda3

ミャンマー軍の使用禁止

 フェイスブックは、ミャンマー軍による使用を禁止すると発表した。

 https://www.nytimes.com/2021/02/25/briefing/Facebook-Myanmar-Covid-South-America.html?action=click&module=Briefings&pgtype=Homepage

 テックジャイアントによる新たなゲームのルール。エコノミストより。

 https://www.economist.com/leaders/2021/02/27/the-rules-of-the-tech-game-are-changing

 

国債金利が急上昇

 曇り。

 Nasdaq指数は3.5%下落した。国債金利の混乱が、株式相場に波及している。とくにテクノロジー株にとって昨年10月以来の悪い日となった。

 乱暴な国債の売りが加速している。株価はそれにつれて下落した。

 10年の米国債金利は一時0.23%ポイント上昇し、1.5%をつけた。今年初めてのことだ。5年債金利も急上昇し、0.82%をつけている。

 国債市場の売りは株式市場に波及した。S&P500は2.5%の下落。Nasdaq指数は3.5%の下落となった。これは昨年10月以来のことだ。

 今週、国債市場が動き始めているのは、Fedや議会による経済刺激策を期待してのことだ。投資家のうち、流れに追随して投資をするヘッジファンドや伝統的な不動産証券の買い手は今週、ヘッジに追われた。この動きが世界的な債券の売りを招いた。

 債券売りにより、すべての資産の再評価が迫られている。ただこれは、伝統的な成長加速取引であり、それが世界中で起きている。つまり、金利が世界中の市場を動かす原動力になっている。

 そうした混乱のさなか、米国の財務省は新発の7年国債を620億ドル発行した。しかし、投資家の需要が足りず、需給を示す指標は2009年以降として最悪だった。

 https://www.ft.com/content/ea46ee81-89a2-4f23-aeff-2a099c02432c

 オーストラリアのSWFのトップ、ピーター・コステロ氏。氏は株式市場に警告を発している。いくつかの資産価格については持続不可能であると明言した。

 https://www.ft.com/content/322f2736-970c-4f21-9b3b-9b5eb12123f6

シリアの経済的困窮

 NYTブリーフ。

 世界中のワクチン配布について。ガーナに向けて積み出しが始まった。シリアのアサド大統領がいかにシリアを経済的困窮に追い込んだか。

 https://www.nytimes.com/2021/02/24/briefing/vaccines-syria-australia-anime.html?action=click&module=Briefings&pgtype=Homepage

アーク・インベストメントの予言

 快晴。

 アーク・インベストメントのキャシー・ウッズ氏が率いる旗艦ファンドが、テスラ株に大きく投資している。そのアークのファンドの価格が下落し、投資家は自身の資産を守るべく動き出している。

 アークのETFに対するプットオプションの数が膨らんでいる。これはこのETFの価格が下落すると払い戻しを受ける権利となる。これは投資家らがこれ以上のファンドの価値の下落にヘッジを懸けようとしている兆候である。

 https://www.ft.com/content/fbb9e967-a251-45e1-9a8a-9e92c62de81a

 世界中で国債が売り一色となっている。米国の10年国債金利は一時1.4%をつけた。水曜日には、この売り傾向が一層強まった。

 欧州の国債も同様の売りに押されている。英国やフランス、ドイツ、イタリアなどの国債利回りが上昇した。この債券価格の下落は、投資家が政府国債から資金を引き揚げ、より経済の成長にかける方向に資金を振り向け始めていることを意味している。インフレへの関心も高まっている。

 https://www.ft.com/content/9fbafac5-02a9-43dd-ab61-b2ca05cb5264