英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

パウエル議会証言

 快晴。

 パウエル議長。通常の生活や状態に戻る期待を込めた発信。

 議長は上院の銀行委員会における議会証言に臨んだ。今年には通常の状態に戻ることへ期待を寄せたが、それは中央銀行としては経済をしっかり支え続ける意図を伝えるメッセージである。つまり、早期の金融政策の引き締めはあり得ないというメッセージである。

 ニューヨークの株式市場では早い時間にテクノロジー株を中心に大きく下げていたが、パウエル発言で戻した。

 今回のパウエル発言は、コロナ危機後としてはもっとも楽観的なトーンだった。しかし、まだ大きなダウンサイドリスクが残っていることも強調した。

 ここ数週間、新規の感染者数や入院の数は減っている。今年後半にはワクチン接種の効果がきくことへの期待も表明した。

 https://www.ft.com/content/7f4a37e4-1930-4f9c-86e5-5e6fd9fbba5a

マッキンゼー激震

 マッキンゼーが激震に見舞われている。3年に一度、グローバルなマネージングパートナーが集まってトップを決める。スキャンダルが浮上し、コンサル企業が揺れ動いている。

 マッキンゼーの650人のシニアパートナーがケビン・スニーダー氏の第2期続投を認めるか投票を始めた。2018年にトップに就任して以降、危機に直面している。

 今週、最終候補者は2人に絞り込まれる。

 今月初め、マッキンゼーは全米の49州から起こされた訴訟の和解金として5.7億ドルを支払うことで合意した。オピオイドを製造している製薬会社などにアドバイスを行った問題だ。

 この問題はスニーダー氏がトップに就く前の出来事ではある。

 https://www.ft.com/content/f001f3ef-e296-4eb6-b711-5f7cb773e314

インフレ懸念に揺れる株式市場

 米国の株式市場がインフレ懸念に揺れている。特にテクノロジー株はインフレ見通しに敏感だ。

 月曜日の株式市場はインフレ期待の高まりと、長期金利の上昇により、大きく下落した。Nasdaq指数は2.5%安で引けた。他の指数よりも下げ幅が大きかった。S&P500は0.8%の下落。

 フェイスブックやアマゾン、アップル、ネットフリックスなどは、いずれも大きく下げた。株価の修正局面である。アップルに至っては3%の下落である。誰もがこうしたテック株に殺到し、株価は高すぎたという指摘がある。投資家は将来の成長可能性についての基礎的な状況を注視し始めている。

 一方、米国債も売り一色となった。10年国債は0.03%上昇し、1.36%をつけた。

 今年、10年国債の利回りは0.9%から始まった。その後、バイデン氏が大統領に選出され、1.9兆ドルの財政刺激パッケージを打ち出したことで、消費者物価が上昇するとの見通しが出た。

 今や投資家の主要な関心事はインフレ見通しである。そうした懸念はアジア市場にも波及している。日本やオーストラリアの国債金利が上昇している。金融政策が正常化されるのでは、との見通しも出始めている。

 https://www.ft.com/content/cab2caee-60c9-40cb-a115-099287ab8bf4

ミャンマー進出にこだわる日本企業

 快晴。

 日本企業はミャンマーにおける情勢が混乱しているにも関わらず、ミャンマー進出にこだわり続けている。その深層に何があるのか。キリンビールは軍に関連のあるビール取引を打ち切ったが、それ以外の企業はクーデター前と同じ操業を続けている。

 アウンサンスー・チー氏の民主政権がクーデターで倒されてからわずか4日後、キリンは軍とのジョイントベンチャーを打ち切った。

 この結論は異論なく、かつ全員一致だった。キリンはミャンマーにおける海外投資家として最大規模の投資を行っている企業の1つだ。

 ミャンマーでは抗議活動が路上で続き、その将来像について疑問符が突き付けられている。数百に及ぶ日本企業にとって、ミャンマーのクーデターをどうとらえるのか、倫理上かつ実践的な危機でもある。2011年にミャンマー民主化して以降、20億ドルの投資が行われてきた。

 アジアにおいて最後のフロンティアと呼ばれていたからだ。

 キリンの決断はそうしなければいけないものだった。というのも、そのジョイントベンチャーは軍と直接かかわっていたからだ。

 しかし、それ以外の多くの日本企業は事態を静観し、今まで通りに操業を続けている。そうJETROの幹部は言う。7割の日本企業が特別経済地区で活動し、低賃金労働を生かした操業を行っている。アパレル生産が多い。

 ミャンマーにとって、日本企業を含む海外直接投資は主要な成長の源泉である。過去10年間で1兆円の公的融資も行われている。ワシントンから軍事政権と距離を置くようにと圧力を受けていたのに、日本はミャンマーとの接触を維持し続けていた。

 キリンはミャンマービールの株式を55%取得している。それに対し、活動家からロヒンギャ虐殺などに関わった軍に関与しているとして、批判を受けていた。それ以外にも、住友商事が電力や物流、通信などで活動し、トヨタやスズキも現地工場を建設している。大和証券ヤンゴンの株式市場創設にかかわった。

 https://www.ft.com/content/0deb1860-cd46-45aa-8992-e7849c025f37

急上昇する住宅ローン金利

 快晴。

 米国の住宅ローン金利が急上昇している。国債金利の上昇に伴う動きである。30年固定の金利は3%に達している。インフレ懸念が金利上昇を後押ししている。

 30年ローンの平均金利は金曜日時点で2.99%をつけている。この金利上昇は、住宅ローン債券の投資家が、高い成長率と高いインフレ率を予想しているからだ。

 8月以降、債券利回りも上昇している。バイデン政権が登場し、財政刺激策が推進される中で、さらなる金利上昇を見込む動きが出ている。金曜日の10年国債金利は1.35%に達した。

 https://www.ft.com/content/ae8e09ce-de94-48ec-98cb-cd222713a20f