英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

「世界工場」中国

 中国は今まで以上に、「世界の工場」となりつつある。エコノミストより。

 中国の輸出シェアはコロナ危機のさなかに拡大した。しかし、これは天井なのだろうか。

 通常であれば、すべての国からやってきた20万人のバイヤーたちが広東州に集まる。しかし今年は、コロナウイルスの影響でオンラインのみでの開催となる。6月24日までの10日間の開催だ。

 このバーチャル交易会は中国の製造業を力を改めて証明する見本市となった。

 およそ2万5000の出展者がライブで同時配信し、しかもそれはたびたび彼らの工場から配信し、彼らの製品に関心のある人々と会話をかわしていた。

 https://www.economist.com/finance-and-economics/2020/06/23/china-is-the-worlds-factory-more-than-ever

世界株価上昇

 曇り。

 アクティビストのバリューアクトパートナーズの話題。ベテランアクティビストはバリューアクトをため、社会投資の分野を手掛け始める。

 Ubben氏は、彼が創業し160億ドルの運用資産を持つヘッジファンドのバリューアクトをやめ、新たに環境や社会インパクト投資の企業を立ち上げる。背景にはバリューアクト内の権力移行がある。

 Ubben氏はCIO職を2017年に手放し、CEOの職も後継者であるMorfit氏に譲っていた。

 https://www.ft.com/content/eaa28471-e295-44a9-a138-dda047db6d1c

 世界株式は、経済の回復の兆候を見出し、上昇しつつある。

 https://www.ft.com/content/ed4fcc95-c80a-4cbf-abf6-2c9dc724a27d

アメリカのコロナ、新段階へ

 アメリカでは感染の流行が従来と異なる新たなステージに入ったようだ。

 バーやストリップクラブ、教会などで流行がみられる。

 https://www.nytimes.com/2020/06/22/us/new-coronavirus-phase.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage

米国移民規制拡大の衝撃

 曇り。

 トランプ氏は米国の移民規制を拡大し、延長することを決めた。大統領いわく、外国人労働者のビザ期間を短縮することは、米国人の雇用を守ることにつながると主張している。

 ドナルド・トランプ大統領は、コロナウイルスによる経済影響を緩和するために、移民規制を導入することを決めた。産業界からは米国の競争力を減じることになるという声が出ている。

 トランプ氏は今年末までグリーンカードの応募を禁じる規制を延長すると決めた。トランプ氏が永住権を意味するグリーンカードの一時中断を明らかにしてから2か月後の命令であった。米国ではちょうど、コロナウイルスの拡大により数百万人が雇用を失っていた。

 しかし、この動きは経済界から米国経済を痛めつけることになると反対されていた。

 グリーンカードの一時停止に加え、テック企業などに使われているいわゆる「H1Bビザ」の発行も停止する大統領命令が出された。テクノロジー業界からは、「われわれはテック分野の人材が不足している」という声があがっている。

 グーグルのピチャイCEOもこの決定を批判している。

 https://www.ft.com/content/46ecc003-758c-45ab-9b2e-2f7b89e0df62

続ワイアーカード問題

 雨。

 ワイアーカード問題。フランクフルトの金融当局はなぜ、ワイアーカードについてこれほど長く盲目状態だったのか。

 過去2年以上にわたり、ワイアーカードはローラーコースター状態だった。少なくとも、多くのドイツの新聞で幅広くメタファーとして使われた。良いニュースはこのフィンテック企業グループの株価を押し上げた。悪いニュースはその逆。しかし、先週のニュースはこうした状態を突然ストップさせた。

 監査人らが19億ドルがワイアーカードの口座から行方不明になっていると指摘したのだ。

 この会社の大部分の収入や利益が実は存在していなかったことを示唆するレポートをまじめに受け止めていなかったのだが、ワイアーカードというローラーコースターに乗っていた多くの人々は、突然シートベルトをしていなかったことに気づいた。

 ドイツ銀行系のDWSなどのファンドマネジャーらは、保有するワイアーカード株の価値を注視している。多くの小規模投資家は、沈黙を続けたままだ。そして、ドイツの報道機関は強い言葉でワイアーカードを攻め立て始めた。

 このケースは、フランクフルトの金融界に不安にさせるような疑問符を突き付けた。なぜこれほど多くの金融機関がFTの2年前の報告を考慮に入れなかったのか。

 https://www.ft.com/content/f04793df-43a2-4d69-a39f-e04dac36ce8e

 

空席が目立つトランプ再選キャンペーン

 曇り。

 トランプ氏の再選キャンペーンが本格化した。

 しかし、土曜夜の集会では、トランプ氏がタルサに旅行し、彼の支持者が約束したよりも少ない数の聴衆しか集まらなかったことが注目される結果となった。行ったスピーチでは、ワシントンにおけるスキャンダルやアメリカを脅かす複数の危機について何ら対処しない、支離滅裂なスピーチを行った。

 トランプ氏の人々を引き付ける力や政治的技術のなさといった弱点が、彼の再選の可能性へ新たな疑問を突き付けた。トランプ氏の世論調査における支持率はすでに低下し続けている。そして、警官の暴力やシステミックな状態にある人種差別主義に対する関心がアメリカ人の間で幅広く広がっているのに対し、彼は人種差別的な発言を繰り返し、コロナウイルスを中国にことよせて差別的な呼称で呼んだ。

 大統領側の選挙本部は、100万人以上の人々が集会のチケットを求めていると説明した。しかし、集会会場の席は3分の1が空席だった。2回目の会合はあまりにもまばらとなったため、トランプ氏とペンス氏はともに出席をキャンセルした。

 トランプ陣営の広報担当者は、メディアが支持者を怖がらせたと説明したが、会場周辺にはほとんど抗議活動はなく、入場を妨げるような大規模な動きもなかった。

 トランプ氏はスタジアムに聴衆が少ないことを怖がっているようだ。保守派のメディアも、空席の青いシートの列が並ぶ映像を流している。

 こうした失望させるような結果となったのは、トランプ氏がすでに司法長官をマンハッタンで突然解任し、ボルトン氏による暴露本の出版をめぐる法的闘争で敗北しつつあることが影響している。タルサではキャンペーンを推進することによる健康リスクについて、周囲からの要望を無視していることへの批判も寄せられている。

 そして、99年前に数百人の黒人が白人の群衆に大量虐殺された町で、選挙キャンペーンを再開させることへの忠告も無視した。

 悲しみに満ちた発言の中で、トランプ氏は1921年に起きたタルサの虐殺やジョージ・フロイド氏への言及をまったく行わなかった。奴隷制が廃止された記念日への言及もなかった。

 その代わりに大統領が述べたのは、左派の過激派が全米で暴動を起こしているという主張である。

 https://www.nytimes.com/2020/06/20/us/politics/tulsa-trump-rally.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage