英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ボルトン氏とウクライナ

 曇り。

 ムーディーズが英国の格付け見通しをネガティブに引き下げた。ブレグジットに伴う麻痺状態を考慮した。

 https://www.ft.com/content/1e5d9686-0274-11ea-b7bc-f3fa4e77dd47

 米国のウクライナ問題に関する弾劾調査は、ボルトン氏の証言が焦点となってきた。ボルトン氏の弁護士によると、ボルトン氏はウクライナ疑惑に関連する、数多くの会合について知っていると述べた。

 ボルトン氏の召喚に向け、準備を進めている下院の委員会議長あてに提出された書簡で明らかになった。それによると、ボルトン氏は証言することに前向きだが、それはホワイトハウスの反対を無視してよいと、裁判所が決定した場合に限るという。

 ボルトン氏の弁護士がいう、ウクライナ疑惑に関する会合や会話が具体的に何を指すかについては明らかではない。ボルトン氏は、ウクライナに圧力をかけることに強く反対していたと、政府の元高官らが証言している。

 https://www.nytimes.com/2019/11/08/us/politics/john-bolton-ukraine.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage

マクロン氏のNATO批判

 フランスのマクロン大統領は、NATO脳死状態にあると批判した。しかし、ドイツのメルケル首相はマクロン氏の批判に異論を唱えている。

 マクロン氏は米国と、それ以外のNATO諸国との間で、シリアへのトルコの侵攻について共通の戦略がないということを批判した。しかし、メルケル首相は、ドイツの観点からみると、NATOはドイツの利益になり、ドイツにとって安全保障になっている、と述べた。

 https://www.ft.com/content/2ee4c21a-015f-11ea-be59-e49b2a136b8d

米中貿易、広がる楽観論

 晴れ。

 米中の貿易協議に関する楽観論が台頭し、欧州の債券利回りがプラス基調に転じている。

 世界の債券の売りが木曜日に加速した。投資家は米中貿易戦争についてポジティブな兆候を読み取り、マイナス金利から脱しつつある。

 10年もののフランスとベルギーの国債はここ数カ月で初めて、プラスの領域に顔を出した。ユーロ圏のベンチマークとなる国債であるドイツ国債は、まだマイナス領域だが、マイナス金利国債の量は12.5兆ドルに減少した。8月には17兆ドルもあった。

 米国のベンチマークとなる10年国債金利は、12ベーシス上昇し、1.94%をつけている。過去3カ月でもっとも高い水準だ。

 債券投資家は、ドイツやイタリアの国債を売り、銀行債や新興国債券にスイッチしている。秋の市場参加者の悲観論は非常に大きかったので、少しでも貿易協議の緊張が和らぐと、大きなインパクトを持つことになった。

 中心となる債券はあまりにマイナスのシナリオだったので、良いニュースが飛び出すと、売りのきっかけとなっている。

 米国のイールドカーブはここ数週間、スティープ化の様相を強めている。アリアンツのエラリアン氏は、この動きは良い兆候であると評価している。金融システムに与えるマイナスの影響を払拭できるからだ。

 https://www.ft.com/content/a70acf38-018b-11ea-b7bc-f3fa4e77dd47

ウクライナ支援の代償

 ウクライナスキャンダルについて弾劾調査が始まった。前のEU大使、Sondland氏が証言に立った。ウクライナへの軍事支援がいかに、トランプ氏が欲する調査への約束と結びついているかを詳しく証言したのだ。

 https://www.nytimes.com/2019/11/05/us/politics/impeachment-trump.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage

ユーロ銀行同盟計画

 晴れ。

 ドイツのショルツ財務大臣が、銀行同盟計画を発表した。ドイツとしては共通の預金保険制度を財政面で支えると約束している。ユーロ圏を銀行同盟に進めるために、ドイツが打開策を打ち出した。

 ショルツ氏は、ユーロ圏の金融セクターの統合が完成しなければ、ヨーロッパの世界における役割は傷つけられるだろう、と述べた。ユーロ圏の銀行を中央で監督する計画は、7年前のユーロ危機の際に提案されていた。

 欧州の金融センターでもあったシティをブレグジットによって失うことは、ユーロ圏の銀行がより良い統合を促進する良い機会を意味する、と述べた。

 ECBやブリュッセルEU高官らは、各国政府に対して銀行同盟に関する政治的な対立をやめるよう、長らく求めていた。破綻した銀行救済には、納税者の税金を使わずに、安全のうちに救済される制度が必要だという主張である。そのことで、ユーロ圏は経済ショックに対してより強靭になる。

 ショルツ氏の提案でもっとも驚くべき内容は、銀行が破綻した際に預金者を守るEU共通の制度案だ。従来のドイツは、納税者の資金を他国の破綻銀行の救済に使うことに強く反対していた。しかし、今回再保険のシステムを提案し、各国のファンドのバックストップになる。

 https://www.ft.com/content/8ea7e002-ffce-11e9-b7bc-f3fa4e77dd47

「ユーロ」という過ち

 晴れ。

 アメリカ株が高値を更新した。米中貿易交渉についての楽観論が広がったことと、企業業績が堅調であることが株高を後押しした。

 S&P指数は0.4%上昇した。先週の高値を更新している。

 ウィルバー・ロス商務長官が日曜日、中国との貿易交渉の最初の障害は間もなく克服できるだろう、という楽観的見通しを語ったことで、市場は動いた。今月、米中双方の首脳が再び会談することも予定されているという。

 貿易交渉に関するバラ色の見通しと、世界中の中央銀行の緩和姿勢が、株式相場に新たな活力を注入している。ゴールドマンサックスのアナリストは、これ以上、関税は引き上げられることはない、とのメモを残している。

 月曜日の株高は、米国の10月の雇用統計が予想よりも良かったことも後押ししている。製造業の成長が減速することにより、消費者支出や企業の雇用を妨げるとの予想を打ち消す内容だった。

 https://www.ft.com/content/db1afa46-fe9d-11e9-b7bc-f3fa4e77dd47

 ハンガリー中欧銀行総裁が、ユーロは過ちだったと認める必要があると主張している。

 ユーロから逃れる道を模索する時期がきている。ユーロが、西欧を統合する通常の次のステップであるという主張は、有害なドグマである。欧州共通通貨は決して通常のものではないからだ。

 ユーロがスタートして20年が経過した。共通の国家、ユーロ圏のGDPの最低15~20パーセントに相当する予算などの必要条件は依然として満たされていない。

 我々はこうした共通通貨を創造するに際しての誤ったアドバイスの根っこにあるものを見落としている。ドイツの力が勃興するに伴い、「ドイツのヨーロッパ」を回避するための仕組みだったのだ。

 https://www.ft.com/content/35b27568-f734-11e9-bbe1-4db3476c5ff0