英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

フィリップスカーブ

 フィリップスカーブ考。マンキュー教授の投稿をもとにした考察。マンキュー先生は、金融政策を決めるツールとして、フィリップスカーブはまだ有効であると擁護した。

 https://uneasymoney.com/2019/09/03/mankiws-phillips-curve-agonistes/

 これがマンキュー教授の投稿。

 https://www.nytimes.com/2019/08/09/business/trade-inflation-unemployment-phillips.html?searchResultPosition=1

ドラギ、最後の会見

 曇り。

 ECBが利下げに踏み切った。政府にも財政出動を求めている。

 ECBは木曜日、利下げと3年間にわたる経済刺激策という大規模な政策パッケージを打ち出した。ドラギ総裁は各国の政府に対し、低迷するユーロ圏経済の成長を再加速させるため、素早く動くことを求めた。

 ECBはマイナス金利幅を拡大する決定を行った。そして、論争を呼んでいた2.6兆ユーロの債券買取プログラムを復活させた。期間は無制限である。

 同時に、ユーロ圏内の銀行に対し、融資する条件を緩和した。これらの刺激策はトランプ大統領がすぐに飛びつかれた。来週に行われるFOMCで、ECBに同調するように要求したのだ。

 トランプ氏はツイートの中で、「ECBはすぐに行動している。彼らは挑戦を続け、成功し続けている。通貨ユーロを非常に非常に強いドルに対して減価させ、米国の輸出を傷つけている」と述べた。

 ドラギ総裁は会見で、ユーロ圏は減税と財政出動が必要だと訴えた。危機感がにじむコメントである。

 ドラギ総裁は8年の任期を終え、元IMF専務理事のラガルド氏に10月末にその職を引き渡す。

 ECBの決定はユーロ安を一時招いたが、それは短い間に過ぎなかった。数時間のうちにユーロは0.3%、ドルに対して高くなった。

 ドラギ総裁は、世界的な貿易戦争のせいで、ユーロ圏経済は減速の危機に瀕していると述べた。2019年のユーロ圏の成長見通しは1.1%。2020年は1.2%成長だ。

 物価の見通しも引き下げた。

 マイナス金利幅はこれまでの0.4%からマイナス0.5%まで引き下げた。

 https://www.ft.com/content/9b2c29c0-d53d-11e9-a0bd-ab8ec6435630

ボルトン追放

 曇り。

 トランプ氏が今度は、ジョン・ボルトン氏を追い出した。国家安全保障補佐官の職を辞する。

 トランプ大統領は火曜日、ジョン・ボルトン氏を解任したと発表した。トランプ政権の国家安全保障補佐官は3人目だった。イランや北朝鮮アフガニスタンなど、主要な外交政策をめぐり、どのように対処するかをめぐって根本的な対立があったとみられる。

 トランプ氏は例によってツイッターボルトン氏の解任を発表した。もはやホワイトハウスで彼の仕事は必要ない、と。何とも手厳しい表現である。

 ツイッターによると、トランプ氏はボルトン氏の提案の多くの点で、強く反対したという。政権の他の閣僚もトランプ氏を支持し、その結果ボルトン氏の辞任となったようだ。

 一方、ボルトン氏の側は、今回の辞任はトランプ氏によるのではなく、ボルトン氏自身の主導で辞任したという。

 後任の補佐官は来週発表される見通しである。来年の大統領選挙を前に、トランプ氏が外交政策で何を望んでいるのか、後任人事はその手がかりを与えることになろう。

 国家安全保障補佐官の回顧は、あまりに突然やってきたため、ボルトン氏も出席する予定のホワイトハウスのブリーフのわずか1時間後に発表されることになった。

 ポンペオ国務長官ボルトン氏と数カ月間、反目しあっていたが、大統領の決定に涙も見せなかった。そして、ボルトン氏退任にあたって、ライバル心を隠そうともしなかった。

 先週、ボルトン氏はトランプ氏との間でタリバンとの停戦合意をするにあたって、最後までバトルを繰り広げた。タリバン首脳をキャンプデービッドに招いて、最終合意する計画があった。

 ボルトン氏は合意を拒否するようトランプ氏に迫った。選挙公約を守るため、アフガニスタンから軍を撤退すべきだという。

 https://www.nytimes.com/2019/09/10/us/politics/john-bolton-national-security-adviser-trump.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage

ジョンソン氏の手痛い敗北

 イギリス情勢。ジョンソン氏はもう一つ、敗北を喫した。

 ジョンソン氏は月曜日、過去のイギリス首相が経験したことのないような、手ひどいスタートを経験した。

 同意なき離脱を阻止すべく、新しい法律が施行された。国会議員らは総選挙に打って出るというジョンソン氏の脅しも敗北に陥れた。月曜日の終わりには、ジョンソン氏は解散を延期することで議会の裏をかこうとしても、彼自身が裏をかかれた人物の一人であったにすぎないことが明らかになるだろう。

 https://www.nytimes.com/2019/09/09/world/europe/brexit-johnson-parliament.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage

ウィーワークの上場延期案

 晴れ。

 ソフトバンクはウィーワークの上場を延期するよう促している。投資家からの冷たい反応が効いている。

 ウィーカンパニーは30億ドルから40億ドル規模の資金調達を予定している。しかし、投資家やウォールストリートのアナリストからガバナンスや共同創業者への報酬支払い、複雑な企業構造に関して、批判を受けている。

 ソフトバンクとその傘下でサウジから資金を得ているビジョンファンドは、100億ドル以上の資金を空間提供業者であるウィーワークに投じている。しかし、ソフトバンクの上場にかける熱意は、銀行がウィーワークの企業価値を引き下げたことで、減退した。

 ウィーカンパニーのアドバイザーは依然として、150億ドルから200億ドルの間でバリュエーションがつかないか、模索している。しかしこれは、ソフトバンクが20億ドルを投資する際につけた470億ドルの企業価値からは大きく下回っている。

 もしウィーカンパニーの上場が延期されるのなら、JPモルガンやゴールドマンサックスなどから予定していた60億ドルのローンも失うことになる。そして、資金調達の変更は、ウィーカンパニーの企業戦略は大きく変更せざるを得ない。

 https://www.ft.com/content/111f8e00-d346-11e9-8367-807ebd53ab77