英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

Fedの次は利下げ

 晴れ。

 Fedの次の動きは利下げになる、と。エコノミストアンケの結果である。

 今月のWSJエコノミストアンケートによると、より多くのエコノミストが、次のFedのアクションは利下げになるだろうと予想している。ただ、この意見はおよそ半々に分かれており、51%の人は利下げを、49%は利上げを見込んでいる。

 ただし、利上げにしても、利下げにしても、アクションをすぐに起こすとは見ていない。

 https://www.wsj.com/articles/feds-next-move-will-be-rate-cut-more-economists-say-11557410400

高まるレバレッジドローンへの警戒感

 晴れ。

 Fedがレバレッジドローンを警戒している。景気減速時にその減速を加速させる恐れがある。月曜日に金融安定レポートを公表し、その中でレバレッジドローンに言及した。

 債務の多い企業に対する貸し出しのレベルが高い水準になっており、それへの警告である。

 2019年の第1四半期において、重債務企業へのローンの比率が40パーセントに達していると指摘している。ブレイナード理事がチェアを務める委員会がこのレポートを執筆している。

 先月、IMFも企業債務の積み上がりに警鐘を鳴らした。ここ数か月、イエレン前議長も同様の指摘を繰り返している。今年に入り、イエレン氏は「経済が減速局面になったとき、企業再建の取引が増えるだろう。もし企業が苦境に陥ると、労働者を解雇し、投資支出を抑える。そして、私が思うに、次のリセッションをより深いリセッションにさせるだろう」と述べている。

 先月行われた議会の公聴会で、大手銀行の幹部らは、レバレッジドローンが経済にとって主要なリスクの一つであると述べている。

 Fedの定義でレバレッジドローンとは、EBITDAの4倍を超えて債務を負っている企業に対するローンのことである。

 https://www.ft.com/content/6db4dfb2-7031-11e9-bf5c-6eeb837566c5

トランプ発言に揺れる株式市場

 晴れ。

 米中貿易交渉。トランプ大統領は中国製製品に対し、2000億ドルの関税を課すと表明する。

 https://www.wsj.com/articles/trump-says-he-will-increase-tariffs-on-200-billion-of-chinese-goods-from-10-to-25-on-friday-11557075332?mod=hp_lead_pos1

 しかし、トランプ氏のこの脅しが市場の平穏を脅かしている。世界の株式市場は月曜日、突然高まった米中間の貿易に関する緊張により、驚かされた。減速しつつある経済成長に波及する恐れがある。

 月曜日のマーケットは、米国の先物市場やアジアと欧州の株式市場が下げて始まった。原油価格の下げ、中国人民元も弱く推移している。トランプ氏が突然、2000億ドルの関税を課すと発言し、今週ワシントンで始まる二国間の貿易協議に疑念を投げかけている。

 月曜日、中国外務省の広報担当者は、中国の交渉団は米国に出発する準備を進めていると話している。

 https://www.wsj.com/articles/global-markets-tumble-after-trumps-threat-to-raise-tariffs-on-china-11557108903?mod=hp_lead_pos1

バークシャー・ハサウェイ年次総会

 バークシャー・ハサウェイ恒例の年次総会。好物であるデイリークイーンのキャンディーバ―を手に練り歩くウォレン・バフェット氏。今回の総会では、バフェット氏の補佐役である、2人の次期後継候補の対談が話題となった。

 土曜日にネブラスカ州オマハで年次総会が開かれた。

 https://www.wsj.com/articles/berkshire-lieutenants-step-into-spotlight-at-annual-meeting-11557013261

世界で最低賃金が引き上げられている

 晴れ。連休もあと2日である。

 世界の最低賃金の動向について。アテネからソウルまで、世界中の政府が最低賃金を引き上げつつある。複数年にわたる賃金上昇の鈍さと不平等が拡大していることについて、有権者の関心が高まり、それを満たすためだ。

 最低賃金引上げのメリットをコストが上回るまで、どの程度の水準まで引き上げることが可能なのだろうか。

 主要国においては、その数値は賃金の中央値のおよそ60%だとされている。もし最低賃金がこの水準を超えた場合、企業は低賃金労働者を雇用するインセンティブを失い始め、代わりに労働を自動化する動きに出るとされている。

 英国において、ハモンド財務大臣が3月に25歳以上の労働者についての賃金の中央値の60%を超える水準に、最低賃金を引き下げる意向を示した。韓国政府もすでに最低賃金を2017年以降、30%引き下げている。韓国のそれは現在時給7.2ドルである。

 米国でも議会の民主党が、連邦最低賃金を時給15ドルまで引き上げる法案を準備している。

 最低賃金を、賃金の中央値と同じ水準に設定すれば、雇用に大きな影響を与えることになる。なぜなら、それは労働市場の下半分を、一つの賃金に押し付けることになるからだ。

 中央値の50%あるいは60%という水準は、富裕国における世界平均である。しかし、その結果は国によって大きく異なる。

 フランスとポルトガルでは最近に至るまで、富裕国においてもっとも高い最低賃金だった。そして、両国とも何年にもわたり、若年層の失業率の高さに苦しめられてきた。OECDエコノミストも、中央値の60%が正しいレベルなのか、わからないという。

 OECDのデータによると、ハンガリー最低賃金を中央値の36%から57%まで引き上げた。この改革により、1割の最低賃金労働者が職を失い、残る9割の労働者が50%の賃金上昇の恩恵を得られた。この結果を踏まえ、失業のデメリットよりも、賃金上昇のメリットの方が大きい、と結論づけることもできる。英国でも、最低賃金引き上げはメリットの方が大きいと結論づけられている。

 ドイツでも最低賃金が設けられたが、雇用に影響はほとんどなかったと結論づけられている。しかし、これで低賃金労働者のトータルの所得が増えたかというと、そうではない。時給が上昇する代わりに、労働時間が減少するからだ。

 https://www.wsj.com/articles/world-governments-test-minimum-wage-raises-11556962201?mod=hp_lead_pos3